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Ingen historia av namne<<名前のない物語>>vol.1  作者: リナ
6章 再会
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Förgångna själv<<過去の自分>>

―Förg(フォン)ångna(ゴナ) sj(セル)älv()


 ラマテガが膝を着いたまま真名を敬意を籠めて懇願する。

「フェム様、お願いがあります。」

「俺に?なんだ?」

「一度我らの部族と顔見せをさせてもらえないでしょうか?」

「……いいだろう。ライカンローブ族が俺の眷属の中で一番賢い部族だ。一度会おう。」

 そう言うとフェルは立ち去る。


「キライ……といったか?人の身で我らが神とも言える方と契約した人間。」

「……そんな大層なものじゃないですよ。僕は必死だった。それだけです。」

「だがな。そんな人間が……俺は弱いのは許せない。」

「……というと。僕じゃダメですか。」

「お前は勇気があるのか、無いのかわからない奴だな。」

 一呼吸を置いてキライは申し訳なさそうにしながら向き直る。

「根は臆病なんです。……この前フェルと会ってから無理矢理装っているだけで。」

「……ふむ。力を見てみたい。いいか?」

「嫌です。といっても見逃してはくれないですよね……。」

「そうだな。」

「どうすればいいんですか?貴方と戦えと……いいますか?」

「安心しろ。俺では無い。今年、新たに護衛隊に入った新人だ。俺がやったら力を見る前に終わる。」

「……そうですね。それはわかってたので安心しました。」

 ほっとしながらも目の前にいるライカンローブの族長と戦ってみたかった感もある。

「気が向いたらでいいです。稽古をつけていただけませんか?」

「気が向いたら……な。」


 ラマテガが遠吠えすると一体のライカンローブが現れる。

「……族長。よ、よびましたか?」

「おう。よんだ。お前はこれからこの、キライという人間と戦ってもらう。両者本気でな。いいか?」

「…わ、わかりました。」

「よろしくお願いします。僕はキライです。」

「よ、よろしくお願いします。」

 両者頭を下げるとキライ早速、双刃刀を構える。ライカンローブは槍を構える。二人の準備が整ったところでラマテガが初めの合図をする。ライカンローブの突きは早かったが、それをキライは双刃刀で受け流す。そしてそのまま双刃刀を首元で止める。

「ふむ。そこまで。キライ、お前はこの国にいつまで残る?」

「ヴィット次第なので、わからないです。」

「明日の朝、ヴィットと一緒にここにこい。あいつの実力も久々に見ておきたい。おいシュガー。お前も来い。流石に情けなさすぎる。お前は鍛え直す必要がある。」

「わ、わかりました。」

 そう言ってシュガーというライカンローブは仕事が残っていると戻っていった。

「なんか……僕に似ている、ライカンローブですね。」

 自分と似ている彼をみて思う。自分もああだった。きっかけは……些細な……いや、些細ではないが、一歩を出すだけだ。それだけ。きっと彼にも訪れるであろうその瞬間。


「似ている?」

「二、三日前までああでした。」

「ふむ?」

「自身もなくて何ができるかもわからず……。本来の実力も出せない。」

「して?お前には何があった?この二日間で変わったのだろう。フェム様にあったことか?」

「はい。僕は一度、フェルに腕を差し出しました。殺されることを覚悟して。まさか、神獣に、ハキハキ喋れって怒られると思っていませんでした。」

 その話を聞いてラマテガが声をだして笑い出す。

「何を笑っているんですか。そんな事です。きっかけは何になるかわからないですが、何かで変われるんです。」


「めずらしいね。親方さんが声出して笑うなんてさ!何かご機嫌な事でもあったのかな?」

「親父が?そんな事あれば明日は雨じゃなく雪が降るぞ?」

「でも今のはラマテガさんの声だったよ?」

「確かにな。」

 そこには一体のライカンローブと一人の女性。ライカンローブはラマテガと同様で赤黒い毛並み、2メートルもあろう先ほどとは違い仕事終わりか、憲兵の姿はしておらずもっとラフな格好だ。もう一人のライカンローブと比較しても背が高く、きれいな女性だ。


「なんだ?お前ら来たのか?」

「ああ。ヴィットの同行者の魔力がいきなり集中していたからな。」

「あれ?君の持ってるのって」

 アビンザの横にいた女性がキライの持つ双刃刀を手にとる。

「あー!やっぱりそうだ!私の作った最初の武器だ!ね!アビンザみてみて!ほら!ほら!!両天秤の双刃 風!」

「こんな武器を使うやついるもんだな。」

「風?私の……という事は貴女がエルカリさんですか!?」

「ん?ああ。エフトレットに来てもらった名前だけどね。君がキライか……。聞いたよ?ヴィットと一緒日旅してるんだって?ゲルンは元気?あとイロードとビローアだっけ?」

「イロードさんとビローアさんは元気です。」

「おい、ゲルンは?」

「ゲルンさんはいま、怪我で……その。」

「あいつが怪我?何があったんだ?相当悪いのか?」

「意識が戻っていません。何があったかと言われると、僕もその事件後まで意識を失っていたので詳しくは。」

「あいつがそこまで……。信じられ無いが……。」

「……ふむ。」

「そうだ。キライ。双刃刀、これからも使っていくかい?」

「はい。とても使いやすくていいので。」

「ふーん?それのあとに作ったものがある。それを使ってみないか?なかなか使いこなしてくれる奴がいなくてね。」

「そいつは驚くくらいにその武器を使いこなしているぞ。」

「親父が人を褒めるなんてヴィット以来か?」

「へぇ!?本当に?それは嬉しいな。君は魔力をうまく使いこなせるかい?」

「え?魔力ですか?いえ、恥ずかしい話、最近魔力がある事を知ったので、自分の体に溜めるだけです。」

「それができるだけで、充分さ。」

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