嫁のわがまま
嫁は結構わがままです。お察しだとは思いますが。
帰宅すると『ラムレーズンのアイスが食べたい』と唐突に言い出す。
「買わないよ」
「やだー! 今すぐ食べたい! 買ってよ、買って買って!」
「諦めなさい」
「いいもん、一人で食べるもん」
そう言いながら、買いに行こうとする嫁。
夜の一人歩きは危ないので、止めようとするも『買ってくれるの?』と期待を込めた目で見てくるので、仕方なく買いに連れて行ったことが何度かあります。
食べたいなら、自分で買いに行けばいいのに!
どうも、俺が『OK』と言わないと、食べちゃダメだと思っているところがあるみたいです。好きなものくらい、好きに食べていいんだけど。っていうか、好きに食べていいから、俺を巻き込まないでくれよ!
さて、そんな嫁ですが、最近我慢してる『わがまま』があります。
それは、休みの日に、俺と一緒に眠ること。
前にも書きましたが、俺の方が早く起きるので、嫁は基本的に俺が起きてから起きてきます。
どうも、それがさみしいみたい。
だけど、俺に頼むのは悪い、と思ってるみたいで、中々言ってきません。
そんな嫁が、昨日俺にぼそっと
「あんね、嫁、お願いがあるんですけど」
と、呟きました。
「ん? なに?」
「すっごいわがままなんだけど、いい?」
「なによ」
「明日の朝、嫁が起きるまで居て欲しい。朝おきたらとしぃさんがいる幸せを味わいたい」
「なんだ、そんなこと。いいよ」
「わーい!」
大喜びの嫁。『あぁ、可愛いな』と、こんな時は思います。
そして翌朝。
朝起きるものの、昨日嫁と約束してるので、布団からは出ない俺。
ただぼーっとしてるのも暇なので、携帯をカチカチしてるあいだに、もう一度寝てしまいました。
嫁を抱っこしながらの二度寝は気持ちいいな、と、まどろんでいると、むくりと起き上がった嫁が一言。
「あついー。嫁、目が覚めたからあっちいくー」
寝起きで朦朧としている中、必死に『行かないで』と手を伸ばすものの、気付かず去っていく嫁。
起きないでくれっていったのに、自分は俺が寝ていても、去っていくのね……。
もう、嫁のわがままなんて聞きません、絶対。