ペロリストvs対ペロ組織
「隊長、大変です! 第一防衛ライン、突破されました!」
「何!? 各軍すぐに出動だ、俺も出る!」
「隊長! 隊長がいなくなったら、誰が指揮を取るんですか!」
「俺が前衛で指揮を取る! それなら問題ないだろう!」
「た、隊長! 貴方の部下である事を光栄に思います!」
「ありがとう! では、皆、ペロリストを撃破するのだ!」
「おお~!」
「うわぁぁぁ!」
「た、隊長!」
「ペロリストめ、恐ろしいやつだ……顔をペロペロしてくるとか……なんという攻撃だ……」
「隊長、しっかりしてください! 隊長!」
「俺はもうだめだ、後はまかせ……」
「隊長!!!」
さて、今回は唐突に話が始まりました、『嫁がウザくて、ごめんなさい。略して嫁ウザ』ですが、一体なんの会話だと思うでしょうか?
嫁の『ごっこ遊び』まで考えた人は、いい線しています。
しかし、これは、嫁が一人で喋り(たまに俺もノって遊ぶけど)、うさぎと遊んでるだけなのです。
そう、最近我が家には新しい子が増えました。
うさぎの女の子、ひなたちゃんです。
もうね、可愛くて仕方ない!
わりと人懐っこい子で、ナデナデもさせてくれるし、ぺろぺろもしてくれます。
そのペロペロ。ちゃんと塩分は与えてるはずなのに(というか、ペレットっていう、うさぎさん専用のご飯をあげています)執拗にペロペロしてくるんです。
そんなうさぎさんに、俺がつけたあだ名が『ペロリスト』
それを妙に嫁が気に入ってしまいまして。そして、気に入ったらハマるのが嫁。
ペロリストとの攻防やら何やらを、妄想するのが楽しくて仕方ないようです。
妄想だけですめばいいのに、口に出して言わないと満足できないのも、嫁のサガ。口から先に生まれたに違いありません。
それが冒頭の、ペロリストへ立ち向かう、対ペロ組織のセリフです。
嫁はうさぎさんが好きみたいです。
ですが、俺は楽しそうにひとり遊びしてる嫁を見るのが好きです。
あの笑顔。俺に害がない分には、楽しそうで好きなんだけどなぁ。
凶器に近い嫁の笑顔。にっこり笑って怒るっていうのとは、別の意味で、怖い。
最近喧嘩もしたし、仕事が忙しくて構ってあげられてないし。
時々は笑顔を見るのに、遊んであげるのもいいかもしれないなぁ。
……でも、ちょっと変なブームの火付けになったら、やだなぁ。
そんな事を思いながら、俺はうさぎさんと遊ぶ嫁を見つめ、夢の中に落ちていくのでした。
……うさぎさんと遊ぶのはいいけど、俺なんでかしらないけど、眠くなるんだよなぁ……