新たなる真実
「ここだよ」
悠司が目の前の扉を開けながら言う
「此処が…そう…」
無意識に手に力がはいる
「緊張しなくていいよ」
そんな私を見かねて悠司が言ってくる
「ありがとう」
「さぁ、入って」
「うん」
やっと、やっと会える
蒼い龍
それはどこにいるのだろう
今この世界のどこかにいるのなら
言ってやりたい
私の前に平伏せと……
「誰だ…」
目の前に座る男に睨まれる
「海斗、この子海斗に話があるってさ」
悠司が私を庇うように言う
「話し?何だ?早くしろ」
むっかー
何こいつ何様?
「はぁ…早くしろ」
さっきより低く言ってくる
馬鹿だねー、私がそんなんでびびるかっての
「……3年前の事覚えてる?」
「……俺はお前に何かしたのか?…」
さっきよりきつく睨まれる
「違う…助けてくれた……あんたは、私を助けただからー」
「知らん…」
話の途中で、海斗が割り込んでくる
「……そう」
「薫ちゃん、ごめんね?話の途中だったのに…何度も言ってるだろ?人の話は最後まで聞け」
あえて触れなかったのに悠司が海斗を叱る
「別に良いよ………あんたが覚えて無くても私は覚えてる……だから、ありがとう」
頭を下げる
その時ドタドタと荒い足音が近づいてくる
ガララ
私たちが入ってきた扉が開く
「薫!!此処か!!」
煉の声が聞こえた
「何?」
「大変だ……」
煉が少し躊躇う
「早く」
そんな煉に私は少しきつく言う
「あぁ。」
だが煉はそれ以上言わない
「はぁ…。言えないなら始めから来るな……いいか?前にも言ったよな、そうやって何かを言うのに躊躇するなら、自分の中だけに納めてろ…それと、そこまで言ったんだしっかり最後まで言え」
私はつい前の癖が出てしまった
『……』
周りの皆が皆目を見開いている
海斗までもだ……そんなに?
「秀斗が、重傷で病院に運ばれたって…知らせが…」
おずおずと言ってくる
「そうか、ありがとう」
秀……死ぬなよ……
「それより、秀をそうした奴は誰だ?」
「………」
「黙りか?」
煉を少し睨む
「うっ!」
少し怯むが、また黙りだ…
「はぁ…もういい…お前には失望したよ煉。お前がこんなに無能とはな…」
『無能』・それは、どれだけの人に当てはまるのだろう、それだけでなく自分さえも無能だと思えてくる…
ーーーーーーーー
嗚呼 なんと無能なのだろう
人1人助けられない者
助けようと、しない者
色々な者たちが集まる所は
街・村 など
嗚呼 この世はどうなるのだろう
幸せはあるのだろうか…………