クラス
「あー、やっと入学式終わったー」
隣であくびをしながら言っているのは煉だ
「あはは。そうだね」
目を擦りながら言う
「それより、早くクラス発表見に行こうぜ」
煉が私の腕を引っ張ってくる
「ちょっ、そんなに引っ張らないでよ」
「あ、悪い悪い」
ニヒヒと笑って見せる煉
「あ、此処じゃない?」
私は人がいっぱいいる所を指差す
「ん?本当だ」
私たちは人だかりの中に入っていく
「見えた?」
背伸びをしてもなかなか見えない
まぁ、それもそうか
「うん。俺ら一緒のクラスだな!」
嬉しそうにこっちを見てくる
「そうなの?やった」
二人でハイタッチをする
「ねぇねぇ、なん組?」
「ん?えっとなー、1組だな」
「了解♪」
私たちは人だかりから抜け出し教室に向かう
ガララ
扉を開け中に入ってみると
そこにはいかにも優等生って、感じの人がいっぱいいた
「わぉ。優等生君いっぱいだなー」
「た、確かに…私本当このクラス?」
つい、疑問がうかぶ
だって私、自分で言うのもなんだけどそこそこ頭はいいけど煉ほどでもないし、ましてやテストでも上位のいつも5番目だよ?無理あるでしょ
「何言ってんの?薫は頭良いだろ?」
「頭良いだろ?って、んな訳ないじゃんかもう
煉はいつも大袈裟過ぎ」
苦笑いをうかべ言う
「はぁ…薫はいつもそうだよな…何?天然なの?
いつも上位の5番だよ?頭良いに決まってるだろ
それに今回薫は、2番だよ?」
呆れたように言ってくる
「天然じゃないし…」
「ん?」
「何でもない」
自分の席に向かう
煉も自分の席に座る
ガララ
「えーじゃぁ、今日の予定を説明します」
先生が入ってきて説明を始める
まず、名前を言うんじゃないの?
「あ、あのー」
おずおずと手を上げる
「何?」
少し目を細める先生
「先生の名前がまだ聞いてないのでその…」
「あぁ。忘れてたよ、ありがとう」
ニコッと笑う先生
少しホッとした
もし不機嫌になってたらと思うと…
「えっと、僕の名前は 前田 真司。これから1年間君たちの担任だ。
よろしく」
『…』
皆何も言わない
「…ま、まぁここは見ても分かるように優等生の集まり、ただ少しを除いて…」
ガララ
前田先生の話の途中で扉が開く
「どーもー。俺らもここのクラスでーす」
いかにも不良って奴らが入ってくる
「はぁ…早く席について」
『ただ少しを除いて…』と言うのは、この事か…
確かに頭がよくても優等生では、無いな…
「あぁ?何?俺らに命令すんの?」
男たちの中の1人、最初に入ってきた男が先生に詰め寄る
「はぁ…早く席に着け…」
前田先生が少し低い声で言う、それだけでなく黒いオーラをかもしだしている
『っ!?』
生徒は皆一斉に後ろに下がる
私と煉、そしてさっき入ってきた男たち以外
「へぇ、先生良いねー♪」
「…」
「はぁ…」
「ハハハ」
最初に入ってきた男=金髪男
黒い髪の男
茶髪男
オレンジ色の髪の男
それぞれ違う事を言ったりしている
ガタッ
私は椅子を引いて立つ
『…』
皆が一斉にこちらを見る
「…先生、話の続きお願いします」
ニコッと笑う
「そ、そうだね続き話そうか。皆席について」
『…』
男たちがこちらを見ているのが分かる
「あの子面白いね」
そんな話は誰にも聞こえず先生の説明が進められる