不在のユートピア
最新エピソード掲載日:2026/04/03
「―――え?」
ドンッという、鈍い、音がした。
その音にともなって視界が、目の前に立っている少女からゆっくりと空に移っていき、そして―――。
鈍い痛みが、身体中に広がった。
「っ!」
最初の痛みが合図となったかのように、どんどん痛みが増えていく。
階段から突き落とされたんだと、気付いた。目の前の少女に。唯一の見方だった少女に。
その事実に気付いた瞬間、沸々と怒りが込み上げてくる。
叫びたいのに、出来ない。
だから、思いっきり睨んでやる。
多分、いや絶対に。気付いていた。だってこの少女は視力が良いから。なのに、気付いた筈なのに。
「キャハッ」
あいつは、自分の口に手を当てて、愉快そうに笑ったんだ。
それを見ると、続いていた連続の痛みが途絶え、意識が朦朧とし始めた。
言っておかなくては。
「許…さない」
視界が真っ暗になり、意識が途絶えた。
「許さない、か」
階段から少女を突き落としたあと、彼女は死んだかどうかの確認もせず、反対方向に進み始めた。
ふと、空を見上げる。
「こっちの台詞だと思うけどな」
空には、美しすぎるほどの満月が浮かんでいた。
ドンッという、鈍い、音がした。
その音にともなって視界が、目の前に立っている少女からゆっくりと空に移っていき、そして―――。
鈍い痛みが、身体中に広がった。
「っ!」
最初の痛みが合図となったかのように、どんどん痛みが増えていく。
階段から突き落とされたんだと、気付いた。目の前の少女に。唯一の見方だった少女に。
その事実に気付いた瞬間、沸々と怒りが込み上げてくる。
叫びたいのに、出来ない。
だから、思いっきり睨んでやる。
多分、いや絶対に。気付いていた。だってこの少女は視力が良いから。なのに、気付いた筈なのに。
「キャハッ」
あいつは、自分の口に手を当てて、愉快そうに笑ったんだ。
それを見ると、続いていた連続の痛みが途絶え、意識が朦朧とし始めた。
言っておかなくては。
「許…さない」
視界が真っ暗になり、意識が途絶えた。
「許さない、か」
階段から少女を突き落としたあと、彼女は死んだかどうかの確認もせず、反対方向に進み始めた。
ふと、空を見上げる。
「こっちの台詞だと思うけどな」
空には、美しすぎるほどの満月が浮かんでいた。
プロローグ
2026/04/03 10:40
(改)