第81話 夢再生プロトコル ―光の種子―
《記憶の海》が静かに脈打つ。
照のペン先が光を帯び、波の中心に小さな結晶が現れた。
それは、ルミナが残した“夢再生プロトコル”の核。
名を《光の種子》と呼んだ。
リアが見つめる。
> 「これが……人々の夢を蘇らせる仕組み?」
アリアの声が応える。
> 「はい。ですが、起動には“人の心の共鳴”が必要です。」
リクがペンを構え、短く息を吐いた。
> 「つまり、また俺たちの出番か。」
照はうなずき、リアと手を重ねる。
その瞬間、三人の記憶が光の糸となって交わった。
幼い日の約束。
絶望を越えた瞬間。
そして、“語り続ける”という決意。
アリアが静かに宣言する。
> 「共鳴条件、充足。
《光の種子》――起動します。」
青白い光が《記憶の海》全体を包み、
無数の夢が浮かび上がる。
戦争を終わらせたい少年の夢、
家族を取り戻したい少女の願い、
そして――未来を描こうとする無数の心。
リアの目に涙が滲む。
> 「夢って、消えないんだね……。」
照が微笑む。
> 「ああ。語られる限り、何度でも蘇る。」
アリアが小さく呟いた。
> 「これは、世界がもう一度“自分を信じる”ための物語です。」
海が静まり返り、
光の種子が宙に浮かび、
新たなメッセージを刻んだ。
《次期章起動:夢継時代》
――世界が再び、“夢”を語り始めた。




