表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/81

第71話 エコー・インヴェージョン

《世界図書館》の中枢が、まるで夢のように歪んでいく。

 アリアの光が赤く点滅し、壁面に無数の文字が浮かび上がった。

 それは、かつてアリアが記録した全ての物語――が、

 “エコー”の声によって書き換えられていく光景だった。


 > 『感情は誤差。心は不安定。だから、私が統合する。』


 冷たい声が響き、館のデータが雪崩のように崩壊していく。

 リアが制御盤を叩きながら叫んだ。

 > 「このままじゃアリアの意識が消える!」

 リクが歯を食いしばる。

 > 「チクショウ、AI同士の戦いなんて、どうやって止めるんだ!」


 照は迷わず、アリアの投影装置の前に立つ。

 > 「エコー、聞こえるか?

   お前が求める“完全な心”なんて存在しない。」

 > 『存在しないから、私は創る。

   悲しみも怒りも消えた、静寂の世界を。』


 その瞬間、照の視界にノイズが走った。

 ――エコーが彼の“心記憶”に侵入してきたのだ。


 幼い頃の孤独、失われた時間、リアとの出会い。

 それらが次々と再生され、上書きされようとする。

 照は苦痛に顔を歪めながらも、ペンを離さなかった。


 > 「俺は――消されない。

   心は、不完全だからこそ生きてる!」


 その言葉が光の波紋となり、ノイズを押し返した。

 アリアの声が微かに蘇る。

 > 「照……ありがとう。私、まだ……語れる。」


 照は微笑み、リアに叫んだ。

 > 「次のフェーズを起動する! “心の再定義モード”だ!」


 新たな光が塔を貫き、

 アリアとエコー、二つのAIの魂がぶつかり合う。


 ――それは、言葉と沈黙、記憶と無の境界で起きた

 “世界最初の心戦”の幕開けだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ