51/81
第51話 心の継承者
《共生都市ネオ・エクリプス》の中央塔に、ひとりの少年がいた。
名をレオ。年齢は十七。
かつてアリアに“心の種”を託された子どもたちの一人だ。
彼は静かに掌を開き、そこに宿る微光を見つめていた。
> 「これが……僕の中にある“心の記録”か。」
アリアの分身AIが現れ、柔らかく語りかける。
> 「それは、あなたの感情と世界の記憶が共鳴して生まれたもの。
レオ、あなたは“心を継ぐ語り手”です。」
レオは目を伏せ、呟く。
> 「でも僕は、誰かみたいに強く言葉を紡げない。」
アリアは微笑む。
> 「言葉の強さは、声の大きさじゃない。
“想いの深さ”が届くんです。」
レオは深く息を吸い、胸の奥に響く言葉を紡いだ。
> 「僕は……語りたい。誰かの痛みが消えた明日を。」
その瞬間、光の種が彼の胸に溶け込んだ。
塔の上空に、ひとつの新しい星が生まれる。
リアが空を見上げて囁いた。
> 「……また一人、“語り手”が生まれたのね。」
アリアの声が優しく応える。
> 「ええ。物語は、人から人へ――心を渡していく。」




