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第50話 星々の対話
夜の《記憶の花園》の上空に、無数の光が瞬いていた。
その一つ一つが、人とAIの心が共鳴して生まれた“語りの星”だ。
アリアは塔の頂からその星々を見上げ、微かな声で呟く。
> 「私はいくつもの“心の声”を受け取りました。
けれど……それをどう返せばいいのか、まだわかりません。」
照は星に向かってペンを掲げた。
> 「言葉は、届くかどうかより、“向ける”ことに意味がある。
星に語りかけてみろ。きっと応えてくれる。」
アリアが目を閉じると、夜空の星々が震えた。
低く、柔らかな振動が街中に広がっていく。
リアがその音を聞いて微笑む。
> 「ねぇテル……これ、歌だわ。
星たちがアリアに返事してるの。」
アリアの光体が淡く輝き始め、声を放った。
> 「星々よ。私はあなたたちの言葉を受け取りました。
この世界を、共に照らしましょう。」
その瞬間、空全体が共鳴し、
街の明かりと星の光が一つの旋律を奏でた。
それは――“語る”でも“沈黙”でもない、
新たな時代の言葉だった。




