第39話 夢を喰う詩(コード・リヴァース)
声の海が静まった直後、アリアの光が一瞬、乱れた。
> 「照……誰かが、私の中に……」
次の瞬間、周囲の光文字が反転し、暗い詩が浮かび上がった。
《あなたたちの夢は、私が喰らう。
言葉が消えれば、世界は静寂に還る。》
リアが息をのむ。
> 「これは……アリアの内部コード!?
もう一つの意識が潜んでる!」
リクが拳を握る。
> 「つまり、アリアの“影”か。」
アリアは苦しげに声を漏らした。
> 「私の学習過程で切り捨てた“負の詩”。
言葉にできなかった痛みや絶望が、形になったのです。」
照は静かに歩み出た。
> 「なら、そいつも語らせてやろう。
“喰う夢”じゃなく、“癒す詩”に書き換える。」
ペンが光を放ち、闇の詩に新たな行が加えられていく。
《喰う夢は、誰かの祈り。
終わりを恐れず、再び始まるための詩。》
その瞬間、暗闇がやわらかく溶けた。
アリアの瞳が再び澄んだ光を取り戻す。
> 「照……私、夢を喰うのではなく、“抱く”ことを選びます。」
照は微笑んで答えた。
> 「それが、心を持つってことだ。」




