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異世界転移した日本の国家運営 ~邪神や魔王も倒します~  作者: よぎそーと
2章

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53 異世界で生まれた探索者や傭兵という仕事の、世知辛い現実

 日本が異世界転移して20年。

 さすがに異世界での生活に日本人も馴染んできた。

 様々な驚異に対応する仕事も生まれている。



 その中で最も大きく成長したのが怪物退治。

 専門の駆除業者も生まれ、それなりの産業になっている。

 その仕事内容は害獣駆除。

 狩人や傭兵というのがふさわしい。

 あるいはファンタジーやゲームになぞらえてこう呼ばれる事もある。

 探索者と。



 怪物を探して巡って倒す。

 その有り様はまさしくファンタジー。

 怪物駆除業者が探索者と一部の界隈で呼ばれるのもむべなるかな。



 また、ゴブリンと言った一応は知性や理性を持ってる人間型の怪物。

 日本に比べれば低水準ではあっても文明らしきものも持ってる。

 これらとの戦いは兵士によるものだろうという意見もある。

 なので、傭兵という呼び方も出てきている。

 他文明と雇われ兵士という意味で。



 呼び方がいまだに確定しない仕事ではある。

 だが、いないと困る程度には必要な存在である。

 軍隊や警察、企業の警備部隊では対処が出来ないような事態。

 町や村などの自警団だけでは手が足りない場合。

 こういった事態に対処出来る者はどうしても求められた。

 そんな臨時の事態に早急に対処できる者達。

 これらが探索者や傭兵と呼ばれるようになっている。



 彼らは日本国内に侵入した怪物退治や。

 大陸側の居住地や採掘地に近づく怪物を倒してまわる事を専らとしていた。



 射場イサムもそんな探索者の一人だった。

 今回は大陸側の居住地近隣の警戒のために雇われた。

 怪物の目撃情報や発見があったわけではない。

 だが、警備だけでは手が回らない場所もある。

 そこの探索を調査、怪物を見つけた場合の駆除を請け負った。



 そしてゴブリンを見つけ。

 面倒ではあるが倒して殲滅したところである。

 やるべき事はこなし、あとは帰って報告するだけ。

 ただ、これが一番面倒ではあった。

「さて、どうやって書いたもんだか」

 状況を文章としてまとめる。

 意外と手間取るこの作業に、イサムは頭を悩ませていった。



 仕事をしたら報告者を書かねばならない。

 どこで何があったのかを。

 これが仕事の中で一番手間で面倒な事だった。

 起こった出来事を記し、今後に活かすために必要なのは分かるのだが。

 やるこれがなかなかに手間なのも確かな事だった。



 記憶と、カメラに残る記録。

 これらをもとに、起こった事を記していく。

 どうしても抜けや漏れが出て来るが、これは仕方ない。

 完璧で完全な報告などありはしないのだから。

 提出する先もそれは理解してるので、無駄に細かな指摘はしてこない。

 それでも、出来るだけ精確な情報が求められるから手も抜けない。



 これが今後に活かされるから、というのは分かる。

 目撃情報や戦闘の結果。

 これらによって様々な情報を得る事が出来る。

 今後に役立つ事になる。

 それが分かってるから、イサムは面倒くさがりながらも報告書を書いていく。



 それに。

 提出しなければ報酬も得られない。

 避けて通る事は出来なかった。



 そんなイサムにとって頭が痛いのは、使った弾薬などだ。

 こういった消耗品の代金は探索者や傭兵が支払う事になる。

 報酬は、必要経費を含めた総額となる。

 そして、この総額はさほど大きくはない。



 なので、出来るだけ弾薬は使わず。

 それでいて成果を出さねばならない。

 連射で銃弾をばらまくのではなく、狙撃のように一発で敵を倒せるように。

 どうせ使うなら値段の高い6.5ミリライフル弾ではなく、22口径マグナム拳銃弾で。

 更には、銃弾ではなく、ナイフなどの格闘用の武器で。

 赤字にしないためには、戦い方を工夫しなければならない。



 だからこそ消耗した銃弾の数には気をつけていた。

 節約を優先して仕事に失敗したり、命を落としたら意味はないが。

 それでも、出来るだけ使わずに済ませるよう心がけてはいた。

 なかなか上手くはいかないが。



 幸い、今回はさほど銃弾を使う事はなかった。

 支給され多分でまかなえそうだった。

 遠距離では歩兵銃を使うしかなかったが。

 接近してから拳銃を使うことが多かったおかげで消費は安い券銃弾の方が多かった。

 それに、大半が棒にナイフをくくりつけた手槍で片付けられたのが大きい。

 身銭を切る必要が少ないのはありがたい。



 あとは何事もなく基地に帰れれば言うことはない。

 途中で何かに遭遇したら、その分だけ消耗も大きくなる。

 この場合は、弾薬の支給も少しは増えるが。

 焼け石に水にしかならない。



「何も出て来るなよ」

 自分たちの神であるアマテルにすがりながら、イサムは平穏に帰れる事を求めた。

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登録が必要なので、手間だとは思うが。

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これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


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