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異世界転移した日本の国家運営 ~邪神や魔王も倒します~  作者: よぎそーと
2章

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52 ゴブリン包囲────からの殲滅

「…………」

 射場イサムは無言で狙撃鏡を覗く。

 ドットサイトと、その前に設置した折りたたみ式の拡大鏡。

 この組み合わせの先にゴブリンをとらえて。



 異世界の大陸側の領域。

 この勢力圏の北限。

 ゴブリンは相変わらずここに進出してきている。

 その一部をイサムはとらえていた。



「見つけた。

 全部で50くらい」

 通信機で仲間に様子を伝えていく。

 聞いてる仲間も返事をよこしてくる。



「右の方にまわる」

「左に移動してる」

「狙撃位置についた」

 それぞれが自分の役目を果たしていく。

 それを聞いて、イサムは行動を開始する。

「やるぞ」



 呼びかけと共に仲間が動き始める。

 最初に狙撃手が遠距離からゴブリンを撃ち抜いていく。

 木々が生い茂る森の中なので、全てを見通す事は出来ない。

 それでも何匹かのゴブリンに照準を合わせる事は出来る。

 そうしてとらえたゴブリンを、ブルパップ型セミオート狙撃銃で撃ち抜いていく。

 発射された6.5ミリ弾は、ゴブリンの体を撃ち抜いていった。



 さすがに頭への一撃必殺とはいかない。

 何百メートルも離れれば銃弾を当てるのは難しい。

 体のどこかにあてるのがせいぜいだ。

 しかし、それで良い。

 旨を撃ち抜けば、相手は肺を血で満たして死んでいく。

 腹を撃ち抜けば、重要器官に当たる可能性がある。

 手足を撃ち抜けば、動きが鈍る。

 当たれば行動不能になるか、まともに動けなくなるのだ。

 それで十分だった。



 こうしてゴブリンが次々に行動不能になっていく。

 それが10匹ほどになる頃には、ゴブリンの大半が逃げ出し始めていた。



 集まっていた50匹ほどのゴブリン。

 それらは仲間が次々に倒れていくのを見て驚いた。

 いったい何が起こってるのかと。

 この混乱がゴブリンを立ち尽くさせる。

 その間に10匹が死んでいく。

 そこまで来て、ようやく正気を取り戻したゴブリンは、一目散に逃げていく。

 何が起こってるのかは分からない。

 だけどここにいたら死ぬと理解して。

 そんなゴブリンは四方八方に散っていく。

 統制など取れてない。

 しかし、この場ではこれで正解である。



 全員が一方向に逃げてしまえば、追跡するのは簡単になる。

 だが、それぞれがバラバラに逃げれば。追跡側も分散するしかない。

 大勢で襲い掛かってるならともかく、少数で襲ってきてる敵にはこれが有効だ。

 追いかける事が出来ないゴブリンが出て来るからだ。

 もちろん、一部は追跡者によって殺される。

 しかし、それ以外の大勢は逃げ延びる事が出来る。



 これまでの人生でこういった生きる知恵を身につけていたゴブリンである。

 今回も教訓をもとに四方八方に散らばっていく。

 もっともそれは、強行に陥って何も考えずに動いた結果でもあるのだが。

 それでも正しい選択を無意識にしてると言えなくもない。



 だが、追跡してる側もそれは承知の上。

 だからゴブリンが逃げると思われる方向に散らばって待ち構えている。

 ゴブリン達は、そんな待ち伏せへと向かっていく。



 ゴブリンが見たところで、伏兵達が動き出す。

 手にした短機関銃に装着したドットサイトがゴブリンをとらえる。

 発射される22口径マグナム拳銃弾が、簡単にゴブリンを撃ち抜いていく。

 装弾されてる50発を打ち切る前に、ゴブリンのほぼ全てが倒れていった。



 50匹ほどいたゴブリンのほぼ全てが倒れていく。

 即死は免れても、体を撃ち抜かれたのだ。

 致命傷は避けられない。

 地面の上をのたうち回るだけ。

 そんなゴブリンに、駆け寄った者達がとどめを指していく。

 木の棒にナイフをくくりつけた簡易な手槍で。

 ゴブリン達のほぼ全てが絶命していく。



 それでも全てのゴブリンが死に絶えたわけではない。

 どうにかその場から逃げ去り、草木の中に身を潜めてるものもいる。

 あるいはすぐに逃げ出さずに、様子をうかがいながら。

 あるいはとっさに飛び出し、上手く誰の目にもとまらないように動きながら。

 それらは息を潜め、静かに待った。

 襲い掛かる何かが過ぎ去っていくのを。



 プシュ、という圧縮した空気が漏れる音。

 それらをかすかに聞きながら。

 それが消音器によって押しつぶされた銃弾の発射音だとは知るよしもなく。

 ただただその音が完全になくなるのを待った。



 そんなゴブリンも、見つけられて次々に撃ち抜かれていく。

 身を隠しても無駄である。

 赤外線探知の暗視装置で姿をとらえられてるのだから。

 身を隠すだけでは決して消すことが出来ない体温。

 それを見つけられ、ゴブリンの残りも死んでいく。



 最後の一匹。

 それもイサムの手にした手槍によって貫かれる。

 音もなく忍びより、身を隠してるゴブリンを貫く。

 体を貫かれ、更に足で踏みつけられてから二度三度。

 体をナイフで貫かれたゴブリンは、緑色の血を流しながら絶命していく。



 他の者も赤外線で周囲を探っていく。

 生き残りを出さないように。

 情報がゴブリン側に漏れないように。

 逃がせば確実にこちらの情報が伝わる。

 それをもとに対策をたてられる。

 そうならないように、まずはゴブリンを確実に殲滅する。



 不可能なのは分かってる。

 どんなに頑張っても1匹や2匹の生き残りは出て来る。

 こればかりは仕方ない。

 それでも、逃げ延びる生存者を少しでも減らすべく努力はする。

 与える情報は少ない方が良い。

 何より、生き残った生還者は強力な敵に成長する可能性がある。

 そうした脅威を減らすべく、念入りに周囲を探っていく。



 そうしてしばらく周囲を探し回り。

 ゴブリンの姿が無いのを確かめて。

 イサムは終了を宣言する。

「作業終了。

 帰るぞ」



 それからゴブリンの死体を集め。

 山と積み上げる。

 屍肉に群がる怪物がやってくるようにと。

 それらがやってくるゴブリンを退ける事になる。

 遭遇すればゴブリンに襲い掛かるのだから



 こういった作業を終了させて、イサムは仲間と共に野営地へと戻る。

 消費した弾薬がどれくらいか心配しながら。

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