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異世界転移した日本の国家運営 ~邪神や魔王も倒します~  作者: よぎそーと
1章 日本異世界転移

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50 ゴブリンを楽して倒すために、怪物同士でぶつかってもらう

 倒して積み重なったゴブリン。

 これらには虫や怪物が群がってくる。

 食料にするために。

 これを見た誰かが気づいた。

「これを餌にして、怪物をおびき寄せればいいんじゃないか?」



 怪物の死体は悩ましい問題だった。

 倒せばいずれ腐敗する。

 虫がわく。

 また、死体を食べに他の怪物がやってくる。



 自然な流れではある。

 正しい食物連鎖だ。

 だが、こうした死体が別の怪物を呼び込む契機になるのは無視できない。

 やってきた怪物が新たな脅威になるからだ。



 なので、死体は出来るだけ処理する必要がある。

 土に埋めて掘り返されないようにするとか。

 燃やして腐敗すら出来ないようにするとか。

 あるいは、問題のないくらい遠くに捨ててしまうとか。

 いずれも手間がかかるので、とてもやってられない作業だった。

 安全のために必要なのは分かっていてもだ。

 足りない人手を考えると、とても人員を割く事は出来なかった。



 なのだが、ゴブリンが来た事で状況が少し変わる。

 もし死体を目当てに怪物が集まってきたらどうなるか?

 それがゴブリンの進路の前に積み上げられていたら?



 幸いな事に、死体はゴブリンが提供してくれる。

 ゴブリンの宿泊地にいるものを殲滅すれば、死体は積み上がる。

 当然、周囲の怪物が押し寄せてくるようになる。 集まった怪物は、やってきたゴブリンと鉢合わせる事になる。



 効果は上々だった。

 死体に群がっていた怪物と鉢合わせたゴブリンは、衝突していく。

 怪物はゴブリンに襲い掛かり、ゴブリンは怪物から逃げまどう。

 比較的小型な1メートルから2メートル程度の恐竜でも、ゴブリンからしたら大きな脅威だ。

 襲われたらひとたまりもない。



 ゴブリン以外の怪物、この近隣に多い恐竜を集める。

 集めて自然とゴブリンにぶつける。

 この方法はかなり効果をあげた。

 人間が、日本が直接ゴブリンを相手にする手間が減った。



 問題があるとすれば、餌を用意する事だ。

 ゴブリンにしろ恐竜にしろ、ゴブリンの進路上に置かねばならない。

 これだけが手間になる。

 ゴブリンの進路で倒せれば良いのだが。

 そうそう都合良く怪物があらわれてくれるわけではない。



 なので、他の場所で倒した死体を運ぶ手間はかかる事になる。

 このために道すら切り開いて作らねばならない。

 とはいえ、これは西へと向けて作っていた道を使うことが出来た。

 本来の用途とは違う使い方だが、あるものはありがたく使っていった。



 それに、餌として死体を持ち込めば、その後の手間も減った。

 死体に怪物が群がる事で、日本の勢力圏にやってくる怪物が減るからだ。

 そして、群がる小さな怪物を捕食するためにより大きな怪物がやってきて。

 そんな怪物をむさぼるために、更に大きな怪物がやってくる。

 餌がなくなれば、次の死体置き場へとこれらは移動していく。



 日本は勢力圏の外縁部にこうした餌場を作るだけで良い。

 それだけで怪物は餌場に誘導されていく。

 これをゴブリンのいる北へと向けていけば、自然とゴブリンのところまでたどり着く。



 日本側の労力はこれで大幅に低下した。

 それでも怪物の一部は日本の勢力圏に流れ込む事はある。

 だが、以前に比べれば大幅に減らす事が出来た。

 ゴブリンの所まで誘導できれば、あとは自動的に衝突を起こしてくれる。



 死体の処理問題も解決出来た。

 今までは、怪物がよってくるが、処理にも手間がかかるので手つかずになっていた。

 しかし、今はゴブリンにぶつけるという利点がある。

 全ては無理でも、出来るだけ多くの死体をゴブリンが出現する北側に持って行く。

 これで日本がゴブリンに対処する手間が減る。



 更には恐竜などの大型の怪物も、死体という餌につられて移動を開始する。

 多くが積み上げられた死体へと向かう。

 狩りをする事もなく手に入る餌は、怪物にとってもありがたいようだった。



 こうして怪物を誘導する事で、被害が減る。

 ならば、死体を運ぶ労力を惜しむ必要は無い。

 怪物に襲われる損失と、これに対処する手間。

 これらと、死体を運ぶ労力を比べれば、運搬する方が楽なのだから。



 それに、怪物の出現を制御する事もできる。

 餌場を作る事で、この近くに怪物がやってくる。

 こうなれば倒すのも楽になる。

 わざわざ探して倒す必要が減るのだから。



 必要は発明の母というのだろうか。

 あるいは、失敗は成功の素というべきか。

 手間がかかるし、人手がないから怪物の死体を放置するしかなかったという失敗。

 しかし、これを怪物がよってくるという事例を用いての成功。

 これらが上手く組み合わさって、怪物退治は楽になっていく。



 それでも、例外的にさまよい混んでくる怪物はいるけども。

 餌場を作る前と後では、こうした怪物の数が大幅に減っている。



 気づいてしまえばあとは簡単だった。

 少しばかり……というのは恐竜の運搬は重労働だが。

 しかし、この手間を惜しまなければ、より大きな利益が手に入る。

 損失を抑えられるという方が正しいだろうけども。

 どちらにせよ、やらない理由はない。



 かくて日本は怪物に怪物をぶつけるように仕向け。

 恐竜系の怪物は、ゴブリンという人型の怪物に襲い掛かるようになる。



 誘導された恐竜型の怪物は、餌場を伝って北方へと赴いていく。

 そこでゴブリンを見つけて食い散らかしていく。

 おかげでゴブリンの襲撃は大幅に減る事になる。

 ただ、無くなる事はない。



 ゴブリンも多少は知恵がある。

 今通ってる道が駄目なら、別の道を探す。

 そして、侵入していく。

 それだけ南方の森には実りがある。

 食用可能な果実などがある。

 自然に育ってる芋などがある。

 これらを求めて南へと向かう。



 恐竜と遭遇する可能性があってもだ。

 確かに危険だが、以前ほどではない。

 日本側によって誘導されているので、遭遇の可能性はそれなりの高いのだが。

 それでも、日本が出現する20年より前ほど危険ではない。



 なので、ゴブリンの襲来は今後も続く事になる。

 恐竜型の怪物をぶつける事で、かなり楽にはなるけども。

 日本が恐竜とゴブリンの脅威から解放されるのはまだずっと先の事になる。

 これらを絶滅させるその時まで。



 このようにして、日本は自分たちの生存圏をどうにか確保していった。

 完璧ではないにしてもだ。

 不安も負担も大きいが、それでも文明をどうにか保っている。


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