49 ゴブリンに適した装備
まず、ゴブリン退治の装備を見直す事となった。
ゴブリンは弱い。
だが、数は多い。
これが相手だと、恐竜対策で持ってる銃器では弾丸が足りなくなる。
普及してる6.5ミリ歩兵銃弾。
この大きさと重さだと、一度に持ち運べる数が少なくなってしまう。
がんばっても200発も持ち運べるかどうかだ。 これだけの数になると、銃弾全部でかなりの重さになる。
荷物としても膨らんでしまう。
値段の問題もある。
1発あたりは100円もしないが。これが100発や200発となると結構な値段になる。
この費用は、どうしても問題になる。
探索者であれば、必要経費に直結する。
軍隊や警察、企業の警備部隊であっても、予算の負担になる。
なので、まずは使う銃器について考えられていった。
ここで、警察が使ってる22口径マグナムが注目される。
22口径マグナムは拳銃の弾丸だ。
歩兵銃の銃弾よりはるかに小さい。
大量の弾薬を持ち運べる。
それに、歩兵銃弾よりもはるかに安い。
銃弾の数を確保するにはうってつけだ。
当然、銃に装填出来る銃弾も多くなる。
警察が装備してる22口径マグナム拳銃は、30発も装填出来る。
機関拳銃や短機関銃なら50発から60発を一度に装填出来る。
数の多いゴブリンを相手にするなら最適だ。
威力はさすがに落ちる。
歩兵銃の銃弾に比べれるべくもない。
だが、相手が人間よりも小さいゴブリンならば十分だ。
人間くらいの大きさの生命体にならば十分な殺傷能力を持ってる。
射程も短くなるが、これも問題はない。
活動場所は森の中。
平原に比べれば、戦闘の為の距離は短くなってしまう。
木々が互いの姿を遮るからだ。
30メートルも離れずに戦闘が始まるのが常だ。
場合によっては数メートルも離れずに戦闘になる事もある。
そんな森林地帯だから、射程の短い拳銃などでも十分に戦力になる。
むしろ、猟銃や歩兵銃よりも小さな拳銃などの方が使い勝手が良い。
やや大きな機関拳銃や短機関銃でも、猟銃や歩兵銃よりは小さく短い。
木々の生い茂る森の中では、これらの方が扱いやすい。
こうした事を考えて、拳銃弾を使う銃器我用いられるようになった。
ゴブリン退治が主な仕事の場合は、これらが主役になる。
クロスボウも復活してきた。
極端な話、矢は自作する事もできる。
矢としての精度を無視すればだが。
それでも、銃弾よりも安く発射する武器を手に入れる事が出来る。
ゴブリン相手だと、これが馬鹿にならない。
まっすぐな棒の先端を鉛筆のようにとがらせただけ。
これだけで殺傷力を持たせる事が出来るのだから。
しかも、木材は今の日本には大量に余ってる。
道を作るために木々を切り倒してる。
こうして手に入れた木々は、薪や木炭として用いてるのだが。
とても消費に追いつかない。
なので、余り気味になっている。
これらを有効活用するために、クロスボウの矢という使い道我求められた。
これで大量のゴブリンを安く処分する事が出来るようになった。
費用の問題はこれで解決となった。
しかし、それでも大量に出て来るゴブリン相手だと手間がかかる。
倒しても倒しても新手があらわれる。
これをどうにか出来ないかと誰もが考えた。
一番良いのは、ゴブリンの拠点を殲滅する事。
北にあるゴブリンの繁殖地。
そこを徹底的に殲滅する。
こうすれば、生まれてくるゴブリンそのものを減らせる。
だが、これをやる為の人手も武器もない。
将来はともかく、今の日本には難しい。
不可能ではないにしてもだ。
どうしたものかと誰もが考えた。
答えはゴブリンがもたらしてくれた。




