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異世界転移した日本の国家運営 ~邪神や魔王も倒します~  作者: よぎそーと
1章 日本異世界転移

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42 地球最終世代

 地球を知る最後の世代。

 異世界に転移してきた日本人達。

 彼らは自分たちの生存のために死に物狂いになるしかなかった。

 少なくとも当初はそうだったし、そうするしかないと思っていた。



 実際、怪物という脅威に接して、この世界の危険性を十分に理解した。

 このような敵に囲まれて、いったいどうやって生き延びれば良いのかと。

 しかし、そんな思いは程なく消えていった。



 誰もが武装をして対処を開始した。

 政府も止めなかった。

 むしろ、積極的に武装を進めた。

 武器の使い方すらも伝えていった。

 さらには、クロスボウなどの比較的簡単に作れる武器を提供すらした。

 作り方も含めて。



 加えて、資源の確保などにも乗り出した。

 これまでにない迅速さで。

 その為に自衛隊だった当時の軍隊を動員し、大陸に送り込みもした。

 更に、資源の採掘に携わる企業や事業者の。

 行き来する資源の輸送路の。

 これらの護衛をしっかりと果たす姿。



 これらはそれまでの日本にないものだった。

 地球に存在した頃の日本ならば、どれほど危険地域であっても自衛隊の派遣はしなかった。

 しても、戦闘は全て禁じていた。

 襲われても何もせずに殺されろ命令するのが日本政府であり、日本という国だった。



 海外展開する民間人にしても同じ。

 そこがどんな危険地帯であっても、テロリストやゲリラが横行する場所であっても。

 これらによって日本人がどれほど死んでも何もしない、見捨てるのが日本だった。



 仮に日本人の救助をしたとしてもだ。

 その為に延々と会議を開き、決定を遅らせに遅らせ。

 同じように被害にあった他の国の者達が脱出をしてもなお危険地帯に放り込まれ。

 銃によって、爆弾によって何人も死に。

 食料もなく飢えに飢えてもなお。

 そんな日本人を見捨てるのが日本だった。



 一応救助というか、避難のための飛行機や船は、それでも出すだろう。

 だが、それは危険地帯に取り残された日本人のほとんどが死に絶えてから。

 しかも、危険地帯からはるか遠い安全地帯の空港や港まで自力でやって来いという。

 こんな残酷な事を当たり前として行うのが日本であった。



 しかし、異世界に転移してからは変わった。

 必要な決断を即座に行い、必要な措置は可能なかぎり行う。

 それが出来る人間だけが異世界にわたったのだから当然である。



 おかげで、資源の眠る海外、日本に最も近い大陸でも日本人はある程度の安全を得られた。

 先んじて上陸した自衛隊によって、上陸地点周辺の怪物は掃討されていた。

 資源地帯に至る道も、資源地帯そのものも。

 いまだろくな武装も出来ないでいた企業や事業者にとって、これはありがたいものだった。



 その後も、民間への銃器販売と、銃器所持の緩和。

 取り扱い方や戦い方の講義に訓練。

 これらを日本政府は提供していった。

 おかげで日本全体に銃器は行き渡るようになり、安全確保がかなり楽になっていった。

 もっとも、当時の生産体制の限界から、どうしても時間はかかってしまったが。

 銃器や銃弾の量産が容易になってからは、誰もが気軽に銃を手に取れるようになってる。



 政府がこれまでと打って変わって適切な行動をしている。

 それは地球を知る最後の世代にとっては異様で異常なものだった。

 日本政府とは、国民を虐げ、経済活動の邪魔をして、生産性を落とすことに躍起になるものだ。

 それが一転、国民の今後を考え、何が今必要なのかを。

 将来において何が最善で、その為に今は何をするべきかを。

 こんな当たり前の事を考えて実行する組織ではなかった。



 日本政府とは国民の働きで得られた成果を税金として巻き上げ私物化するもの。

 これが日本政府であった。

 そんな政府を当たり前としていた日本人である。

 転移後の日本政府の動きの適切さには唖然とするかなかった。



 もっとも、良い方向への変化なので、反対も否定もしなかったが。

 ただ、「本当に変わったのか?」といぶかしく思い警戒はしていた。

 当たり前である。

 国民の不満を少しは解消するために、多少はご機嫌取りをする。

 あるいは不満がある程度消えるまで数年くらいは行動を控える。

 そうしてる間に、社会の裏側で国民からの収奪の下準備をする。

 今回もそうしたガス抜きだと誰もが思っていた。



 それがそうはならずに、その後も続いた。

 それを国民は好意的に、しかしそれでも警戒をもって見つめていた。

 日本人にとって最悪の敵は日本政府と各省庁なのだから。

 これらに付随する行政法人やNPO(非営利活動団体)なども含めて。



 そんな警戒をしながら10年、20年と時間が経ち。

 異世界第一世代の最初の頃に生まれた子供がそろそろ成人しようかという時期になり。

 変わらず政府が適切な行動をとってるのを見て、地球を知る最後の世代も少しは安心をおぼえた。

 どうやら政府は、今までよりはまともに動いてるらしいと。

 警戒はそのままに、いつまた愚行を始めるかと心配しながらも。



 善行をどれだけつんでも、警戒を解く理由にはならない。

 再び悪さを始める可能性は常につきまとうのだから。

 こうした警戒はしつつも、日本人の多くはやってきた事は評価した。

 国民をだますための手段だと疑いながら。



 そんな地球を知る最後の世代。

 地球最終世代は、自分たちの子供である次世代がまともであることに少しは安心をおぼえた。

 いずれ日本を担う子供達は、地球時代のような愚行を起こす可能性は低いと。

 この世代が政府や企業などを担う頃には、今よりも良い状況になってるかもしれないと。



「それまでは頑張らないと」

 これまでに何の期待も出来ず。

 だからこれからに託す事にした地球最終世代。

 そんな彼らは、新たに生まれた子供達が暮らしていける場所を作るために邁進した。






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