40 軍隊、警察、探索者
こうして日本には主に三つの武装集団が発生する事になる。
最大の武装をほこる軍隊。
国民に密着した防衛集団としての警察。
最も身軽で少数で活動する探索者。
これらがそれぞれの得意と苦手を補いあうように存在していった。
軍隊や警察は、組織として大きく、軽快な活動が出来ない。
動くとなると、それなりの手続きが必要になる。
特に軍隊は、最強の武装を持つが、動くとなると燃料も弾薬も金も大きく消費する。
おいそれと動かせるものではなかった。
また、出動したとしても到着まで時間がかかる。
軍隊の基地はそう多くはない。
ここから出動したとしても、問題が発生している場所に到着するまで時間がかかる。
緊急的な問題に対処する能力に欠けている。
とはいえ、これは仕方のない事であり、軍隊が悪いわけではない。
警察はこの点で動きが早い。
交番をはじめとして、地域や住民の近くにいる。
何かが起こった場合に即座に駆けつける事が出来る。
武装という面では軍隊に劣るが、一般的な怪物相手なら十分な火力も持つ。
その為の武装にも変化が訪れている。
通常の巡回などでは以前と同じ拳銃を装備。
だが、交番やパトカーには散弾銃や猟銃が備えられるようになった。
防弾チョッキも標準装備となっている。
何かあった場合に即座に攻撃が出来るようにだ。
怪物がはびこる世界である。
これくらいの武装が必要になっていた。
拳銃も変化があらわれてきている。
今までとは違い、小口径のマグナム弾を装備するようになっている。
22口径マグナム。
これが警察の標準装備になっていた。
それなりの威力で、装弾数を多く出来るからだ。
あらわれる時はそれなりの数で押し寄せるのが怪物だ。
これらを処分するのに必要なのは、威力もさる事ながら、まずは弾数である。
この点で22口径マグナムは優れていた。
なにせ、拳銃ですら30発を装弾する事が出来る。
多少の威力の減少があっても、この銃弾の数は魅力的だった。
それに、威力が多少小さいとしても、銃弾である事に変わりは無い。
当たれば怪物は死ぬ。
体を貫く威力は持ってるのだ。
こんなものを食らって無事でいられる生物はそうはいない。
人間とほぼ変わらない大きさならば。
こうした警察によって、町の安全は保たれていた。
また、主要な道路などの巡回も行われている。
人里の安全や防衛は、こうした警察の仕事になっている。
ただ、どちらかというと守りに重点が置かれてるのが警察だ。
怪物を探して倒すという積極的な活動は主ではない。
やらないわけではないが、さほど頻繁というわけではない。
やるとしても、人里近くに限定される事が多い。
細かな対応も難しい。
通報によって動きはするが、それでも全てに対応出来るわけではない。
活動範囲の広いからだ
それなりの人数や装備は持っていても、全てに対応は出来ない。
どうしても大まかな対応で終わってしまう。
個別の問題への対処は、よほど重要でもなければ難しい。
こういった問題に対処してるのが、探索者となる。
少人数で装備もさほど高度ではない。
だが、依頼に応じて行動する柔軟さはある。
料金は必要だが、支払う事が出来るなら応じてやってきてくれる。
場合によっては、人里近くの怪物を探して退治もする。
それだけの料金を支払えばだが。
だが、警察や軍隊が動いてくれないような小さな問題への対処は出来る。
このように、大中小のそれぞれの問題に、適した者達が対応するようになってきている。
異世界での生活に合わせて、日本全体が適応していっている。
これらに加えて、国民一人一人の自衛がある。
どの家庭にも銃が一つはある。
そんなご時世になっている。
これを使って怪物を倒すのが普通になってる。
自分たちでどうしても対処できない場合に、探索者や警察、軍隊を呼ぶ事になる。
企業も同じで、独自に防衛用の部隊を持つようになっている。
警備担当がこれにあたる。
主な仕事は勤務地の警備。
近づく怪物を倒す事が仕事だ。
こうして基本的には自衛をして。
それを補うように、あるいはより専門的に怪物を倒すのが軍隊や警察、探索者の仕事になる。
棲み分けや役割分担。
これが社会全体でなされている。
そうしなければ生きていけない異世界だ。
適切な形を人々は作り上げるしかない。
平和と平穏を保つために。
銃が平和を作る。
これが異世界の常識になっていた。
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