34 大陸にいる他種族
日本以外の他種族。
これは既に確認されている。
神であるアマテルが示していたように。
また、この世界に転移した人工衛星によっても確認されている。
地球より巨大なこの異世界には、他の種族も存在している。
その姿形ははっきりとは分かってない。
だが、人工物と思われる建物や集落は発見されている。
見つかった集落の大きさはまちまちだ。
村落程度のものからだ、大都市といえるものまで。
大小様々な規模の建物が発見されている。
そのいずれにも様々な他種族がいた。
これらが友好的な存在であれば良いのだが。
残念ながらその可能性は低い。
全く無いと言ってもよい。
「無駄な期待はするな」
日本の神であるアマテルもこう告げている。
「この世界にいる全てが敵だ。
邪神や魔王だけではない。
他の種族も、全て敵。
そう思っておけ」
問われたアマテルに言われて、誰もが諦めた。
神がここまで言うならばその通りなのだろうと。
そもそも、他の世界の脅威となり得る存在だと聞いている。
そんな者たちが友好的なわけもない。
出会えば戦闘になる。
そう考えておいた方が無難というものだ。
幸いな事に、多くは遠く離れた地域にいる。
他の大陸に生息してるものの方が多い。
それだけでもまだ接触まで時間がある。
そうなる前に、人口を増やし、資源を確保し、対抗できるだけの力を手に入れておく。
生き残るためには、戦って勝つしかなかった。
そのためにもやはり人が必要になる。
戦うためには産業を保たねばならない、発展させねばならない。
出来るならば発展させねばならない。
少しでも力を得ねばならない。
その為にも産業という土台や基盤が必要だ。
強力な武器はこれらを元にしないと作れない。
だから発展が必要だし、そのために人口が必要だ。
採掘も加工も、研究も開発も、全て人が必要なのだから。
「それまで保てばいいが」
不安は残る。
日本が人口を回復し、更に増大する事が出来るのかどうか。
それまで敵たる他種族がおとなしくしてるのかどうか。
そこまで余裕があれば良いが。
全く期待は出来なかった。
敵がおとなしくしてる理由はない。
日本の意向や願いを聞き入れる事もない。
敵たる他種族は奴らの都合や考えで行動するのだから。
そんな他種族が望むならば、今すぐにでも日本に襲い掛かってくるだろう。
今はまだ距離があるから近づいてこない。
しかし、いずれはやってくる。
それが出来るだけ遅くなるよう、今は願うしかなかった。
「ただ、これだけはそうもいかない」
そう言って閣議に参加した者たちは、目の前の脅威に目を向ける。
日本が上陸して、開拓を続ける地域。
恐竜が闊歩するこの場所にいる、巨大な問題に。
恐竜の巣。
日本の上陸地点を住処とする恐竜たちの繁殖場所。
その中でも最も巨大な巣が日本の前に存在する。
これだけは避ける事が出来ない脅威として目の前に立ちはだかっている。
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