16 1970年という制限
資源が採掘され、日本に持ち込まれて加工されていく。
必要な量にはまだ届かないが、備蓄品を切り崩すだけの日々がようやく終わる。
同時に、必要となる様々な機器の設計も一段落ついていった。
資源がないので生産にはいたらない。
だが、設計やコンピューターを使った試しは何度も行われている。
資源が順調に集まれば、試作品の製造にとりかかれるように。
高性能だが、それだけに無駄に能力が高い。
だから生産に高度な技術や素材が求められる。
まだ資源の調達がろくに出来てない今の日本で、そんな高性能品を作り続けるは不可能だ。
だから、あえて性能を低下させた品を作ることが求められていた。
これは手に入る資源の種類による。
高性能品を作り出すための資源がどうしても足りない。
これらを手に入れるには、更に遠くまで出向かねばなららない。
あるいは、より多くの人間を採掘に割かねばならない。
その為の人手が足りない。
なにせ、たった2000万人しかいないのだ。
これで必要な資源を全て確保出来るわけがない。
地球でなら70億を超えた人間が世界各地で採掘をして運搬をして加工をしていた。
全人類で役目や役割を分担していたのだ。
2000万人でそれをこなせるわけがない。
なので、採掘する場所は分かっていても、手をつける事が出来ない。
いずれ人口が増大したらともかく、それまでは指をくわえているしかない。
こういった事情もあって、作れる物の品質はどうしても落ちる。
採掘できる原料から作れる素材がどうしても限られるからだ。
作れるのは1970年程度のものまで。
この制限の中でやりくりするしかない。
とはいえ、これは朗報だった。
1970年代くらいの水準ならば、それなりのものが作れる。
怪物に対抗するのは造作も無い。
より強力な開物が出てきたらともかく。
今はこれで十分だった。
この制限の中で、日本は今の状況に必要なものを作り出していく。
多少効率は落ちる事になっても。
無理なく作れて使える道具を。
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