聖魔法
「それでミヤよ、主もしや
この世界の人間ではないのではないか?」
いきなり訊かれ驚いたけど素直に頷いた
隠している訳じゃないけど大ぴらに言っている訳でもないからレモニーさんが驚いていた
やはりな、と言ってラハニスは話を続ける
「ミヤが我にかけてくれた魔法なんじゃが、あれは聖属性の浄化魔法だった」
私は単語の聞き取りが不安で首を傾げる
間違っていなければ聖って言った気がする言葉をアステリも分からなかったみたいで首を傾げていた
セリーニさんとレモニーさんは目を丸くした後ラハニスに確認をとっていた
知っているのかアステリが訊くと召喚された勇者が使っていたとされる魔法だとセリーニさんが説明してくれる
邪神が暴れていた時、同じ浄化魔法なのに光属性では全く歯が立たなかったのに勇者の浄化だけは効果があったらしい
その光と似ているけど違う属性を勇者を称えて聖属性と呼ぶようになったんだとか
「うむ、その聖属性で合っておる
我らドラゴンは勇者に会ったことがあるんじゃがな
浄化魔法をかける身体がミヤと同じように光っておったんじゃ
もしかしたら召喚された別世界の人間にしか使えない魔法なのかもしれん」
だから私が別世界から来たのか確認したらしい
でも私は召喚されたわけじゃないと言うとラハニスは目を丸くした
気づいたら暗がりの森に居たこと
元の世界で行方不明になっていた人が目の前で大蛇に食べられたことを話すとレモニーさんも驚きつつ考え込む
「もしかしたら神が関係しているかもしれん
召喚術以外で別の世界から人間を呼ぶことは人間にはできんからな
実はの、ミヤが動けるようになるまでの間に他のドラゴンに会いに行ったんじゃ
やはり瘴気で身体を蝕まれて動けなくなっておってな」
北の山に住んでいる黒いドラゴン
南の山に住んでいる赤いドラゴン
西の山に住んでいる白いドラゴン
それぞれ蝕まれ具合に差があるらしいけど酷いらしい
「可能ならドラゴン達を浄化してもらいたいんじゃ
我々が元気になれば暗がりの森の瘴気の問題は落ち着くからの
それに白いのは神から加護を貰っておる
会話を試みてミヤ達が転移させられている理由を説明してもらおうぞ」
突然の提案に戸惑ったものの瘴気に蝕まれていたラハニスを思い出して浄化できるものならやりたいと思った
セリーニさん達も瘴気の問題が落ち着くのは願ってもないと頷く
提案したからとラハニスが責任を持って連れていってくれると言ってくれているから一日あれば全員回れる
私が、この世界に来た理由も分かるかもしれない
断る理由が無かった
「…じゃあ、お願いラハニス」
「うむ、ありがとうのぅ!」
そのまま準備をしてラハニスの背に乗りドラゴン達が住んでいる西南北の山に向かった
私たちが振り落とされない速度で飛んでくれているものの馬で行くより断然速い
アステリは楽しそうにしていてセリーニさんは珍しそうに下を見ていたり何かを書き記していたりした
かく言う私も飛んでいる事実に心臓がドキドキしていた
レモニーさんはタイミングが悪くて会えなかったフィトーさんに話を通しておくと言ってフォティノース王国に残ってくれた
ちゃんと聖魔法ができるか少し不安だったけどラハニスの時を思い出して魔力の巡りを意識しながら相手を助けたい、死んでほしくないと思うと身体が光った
魔力の消費が激しいから魔力回復用のポーションを飲みながら休憩しながら浄化していった
ドラゴン達は久しぶりに身体が軽いことに喜びつつ、お礼を言ってくれた
子どものように、はしゃいで飛ぶ姿を見て私まで嬉しくなった
【なんと、お礼を言えば良いか…!】
最後に西の白いドラゴンであるセンテーフィさんが涙を流しながら頭を下げた
お礼に私が叶えられる望みを一つ叶えましょうと言われ頭を上げるように言ってから本題に入る
加護を貰っている神と話ができないか
確認したいことがあるから可能であれば私と直接話してもらいたい
【分かりました】
そう言うとセンテーフィさんは目を閉じて、しばらく無言になった
邪魔をしないように小声でラハニスに訊くと神と対話を試みているんだろうということだった
アステリ達も静かに返答を待った
【降りてきてくださいますよ】
数分待った後センテーフィさんは静かに目を開けると一言そう言った
随分と簡単に来てくれるんだと目を丸くしている間に目の前が明るくなる
思わず目を瞑った数秒後、明るさが落ち着いた気がして目を開けた
綺麗な真っ白な女性が立っていた




