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尋問という名の

次の日の朝

俺とカフェティ、そしてラハニスで拘束されている男たちを見下ろしている

左腕を失った男は俺たちを睨むも他二人は怯えていた

ラハニスによれば見つけた時、三人は何かから逃げていたらしい

ミヤが逃げたのに気づき追いかけたが魔物に襲われていることを知って自分たちに標的が移らないうちに逃げた

状況から見て間違いないとラハニスとシロガネが言っていた

沸き起こる怒りを抑えながら三人を睨む


「さて、改めて聞くがミヤを攫ったのはお前らだな?」


「……っ」


「目的は何だ? 誰に命令された?」


そう問いかけるも男たちはお互いの顔を見合わせ無言を貫く

どうしたものかと考えているとラハニスがため息を吐いた


「馬鹿な人間じゃな

我がいる時点で黙秘などできぬと言うのに

大人しく話しておいた方が身のためだと思うぞ?」


そう言うと彼は片手を上げた

すると地面が盛り上がり土で刃物が作り出される

その刃先は全て男たちを捉えていて、このまま話さなければ殺されると分かり、あからさまに慌て始める

カフェティが俺と同じ問いを出すと男たちは口を開く

随分と簡単に口を割るものだと思った


「知らねぇよ!

金で雇われただけで詳しくは知らねぇ!」


「金で……? 男か、女か?」


「白髪の……偉そうなジジイだった

頬にでかいホクロがある

かなり態度が癪に触ったが金を貰えるならって引き受けた」


聞き覚えのある特徴に眉間に皺を寄せる

少し前、お祖母様が解雇した中にいた顔と一致している

逆恨みだろうと予想しつつ他の質問をした


「いつ雇われた?」


「五日前だ

『黒髪の娘を攫え』、『成功したら金貨二十枚やる』

そう言われた」


「計画を立てた白髪の男は、どうやってお前たちを見つけた?

お前たちと前からの知り合いってわけじゃないだろう?」


「酒場で声をかけられただけだ」


「…金目的の人間は酒場が簡単に見つかりますからね」


カフェティの一言に男たちは顔を顰める

だが俺の質問に対して男たちは次々と答える

ラハニスが未だに魔法で脅しているおかげだろう

こちらにとっては都合が良いので任せておく


「なんで昼間の人混みが多い中を選んだ?

攫うのが目的なら夜のほうが良いだろ」


「……人混みの中なら怪しまれにくいからだ

周りがうるさければ多少の声はかき消される

何がきっかけであの女が騒ぐか分からなかったし」


「ふむ、人間は考えることが多いのぉ」


ラハニスが小さくため息を吐く

なぜ昼間なのかと思ったが、なるほどと思った


「どこに連れていこうとした?」


「決まってんだろ、スコティノース王国だよ

唯一奴隷が禁止されてない国だからな

あの女の見た目なら高くても、すぐに買い手がついただろ」


「俺も相手してほしかったんだよな」


惜しいことをしたぜ、と笑い始める男たち

事細かに話しているから見逃されるとでも思っているのか

するとラハニスが顔を顰め地面から蔓を生やし始める

それに気づいた男たちは慌て始めるが、もう遅い

蔓に体を絡め取られ今までよりも身動きができなくなっていった


「話したんだから見逃してくれよっ!」


「そんな約束はしていない

計画してないとしても実行した者を逃すわけないだろ

仮に見逃すと約束したとしても、それは俺たち人間同士のものだ」


「そうじゃな…ドラゴンである我には関係ない話じゃ」


「……っ!」


見開いた目を最後にあっという間に男たちは全身を蔓に巻かれ姿が見えなくなった

呻き声が聞こえるから生きてはいるらしい

とりあえず情報は得たとため息を吐いた


「それでアステリよ

白髪の男の目星はついておるのじゃろう?」


「…あぁ、皇后陛下に報告した後、第二に捕らえるよう頼もうと思ってる」


そうか、とラハニスは言いながら目を細める


「…訊きたいこと全部訊いて、陛下に許可貰ってからな

それまで、その男たちで我慢してくれ」


俺がそう言えば今度は嬉しそうに、そうかと言った

邪魔はされたくないだろうし俺たちだって見たくはない

ここは誰も近づけさせないから好きに使えと言って俺とカフェティは部屋を出た


「…嬉しそうでしたね」


「あぁ、殺しさえしなければ好きにして良いとは言ったが……まぁ大丈夫だろ

あの三人は陛下も了承している

依頼者も聞き出せたしな」


「ですね」


感じ取っていた殺気から念のため忠告しておいたが、まさかあそこまで怒っているとは思わなかった

そもそもミヤの近くに居るのは、ただの気まぐれなのだと思っていた

でも昨日今日見た限り、そうじゃない

ただ興味を惹かれるだけでなく別の感情がある気がする


「……とにかく、一旦報告に戻ろう」


「了解しました」


そんな会話をする俺たちの後ろから断末魔が不気味に響き始めた

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