小話3
皇后陛下に謁見した後
第一軍の部屋に戻ってきた軍隊長は溜息を吐いた
書類を見つつも、その顔は浮かない
コーヒーを淹れようかと立ち上がると呼ばれた
「なんでしょう」
「………」
腕を組み俺の顔を見たまま無言になる軍隊長
要件が分からず首を傾げる
「……お祖母様に怒られた」
その話かと面食らいつつ相槌を打つ
安易に連れてきたことは恥ずべき行為だと国を守りたいのであれば、もっとよく考えるように俺が懸念していたことを言われたらしい
怒られて反省していると続けた後
「カフェティも同じように思っていたか?」
「…そうですね
簡単に許可は出ないだろうと思っていました」
俺が答えると軍隊長は、そうか…と息を吐く
そして頼みがあると部屋に居た全員に声をかけた
「この先、俺の判断が間違っているんじゃないかと思った場合、遠慮せず進言してほしい
立場なんて気にしなくて良い
後に咎めるようなことは絶対しない
止まらなかったら殴ってでも止めてくれ」
カフェティも頼むと言われ全員が目を丸くした
継承権を放棄しているとはいえ王族を殴っていいと言われるとは思わなかった
返事に困っているとカスタノが
「…それで軍隊長が止まるとは思えないけど」
「止まるまで殴ればいい」
胸を張って即答した軍隊長に俺たちは一拍置いて笑ってしまった
彼が本気で言っているのだと分かってしまったから
笑われた理由が分からず眉を寄せる彼
「軍隊長ーーいや、アステリ
今まで以上に遠慮はしませんよ?」
昔のように呼べば俺たちと同じように笑った




