スタフティス山
次の日
集合場所の街門に行くと全員もう揃っていた
遅れたことを謝ると、どうせラハニス達がのんびりしていたんだろとアステリが溜息混じりに言った
その通りで苦笑いをするとグリーゾさんが昨日のうちに行かないからだと眉を寄せる
アステリと少し睨み合いをしていたけどセリーニさんに止められていた
ちなみに私が同行するのは、みんなが怪我をした時の治療のためと魔物で自我が残っていた場合の浄化のため
もしかしたら穴から出てこないのはラハニス達みたいに瘴気に侵されている状態なのかもしれないと判断したからだ
あとはグリーゾさんが来るよな? と強く望んでいたから
だから私の聖属性について知っている第一の人たち四人と隠れているのが人間だった場合の第二の人たち四人
そしてセリーニさんと私で計十人居る
「よし、じゃあラハニス、グリーゾ
俺たちを連れて行ってくれるんだよな? 頼むぞ」
「うむ、任されよう」
「…俺が乗せてやっても良いのは娘だけだ
あと、そこの男も許してやろう」
話し合いが終わったのかアステリが言うと、まだ根に持っているのかグリーゾさんは私とカフェティさんを指差し言い切った
その言葉に全員が呆れながら溜息を吐く
本当に小さな子どもみたいに我儘を言っているのだ
なんとなく、ここで妥協したらいけない気がした
「…分かりました
では今回の依頼はなしということで」
「はっ⁉︎ なぜそうなる!」
案の定、私の言葉にグリーゾさんは目を丸くする
構うことなく同様に目を丸くしていたアステリ達に頭を下げて遅れた上に申し訳ないことと通常の業務に戻って構わないと言った
全員が私の態度と、それを見て慌てるグリーゾさんを見つめる
意図が分かったのかラハニスも主らも忙しいのに時間を取らせたのぅと言いアステリも仕方ないな帰ろうと、みんなに促した
「〜〜〜っ、分かった!
乗せてやるから帰るな!」
そう言ってもグリーゾさんが不服そうな顔をしていたから私が帰りましょうと、もう一度言うと慌てて大きな声で本当に困ってるから来てくれと泣きそうな顔でお願いされる
「…分かりました
じゃあ、もうさっきみたいなこと言わないでくださいね
あぁ言われたら嫌な気分になって誰もお願い聞いてくれなくなりますよ」
「うぐ…」
「現に主、そんな態度だからセンテーフィから煙たがられておるんじゃぞ
いい加減学べ」
「……分かった」
ラハニスの援護もあってグリーゾさんは小さく頷いた
本当に小さな子どもみたいと思いながら微笑むと後ろで小さくアステリが呟く
「…猛獣使い」
どういう意味
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一悶着あったもののラハニス殿とグリーゾ殿の背に乗って目的地であるスタフティス山に着いた
中腹辺りに降り立つとラハニス殿はミヤと会話した後グリーゾ殿に変身魔法をかけると帰っていった
「私の心配をして様子を見に来てくれただけでグリーゾさんが居るから、こっちは大丈夫だろうって元々参加する気はなかったらしいです」
最後にドラゴンに戻れば人間の姿にはなれないから変身する場合はよく考えるようにとグリーゾ殿に言っていたらしい
「分かっているのに、うるさい爺だ」
飛んでいくラハニス殿を見送りながらグリーゾ殿は呟く
気まぐれな彼らしいと思いながら、それにミヤが小さく笑うとアステリが出発することを告げた
グリーゾ殿に位置を聞きながら足場が悪い中、進んでいく
第一のみんなが難なく進んでいっていくのに対し第二も俺もミヤも息を切らしながら必死についていった
すると不意に一番前を歩いていたアステリが立ち止まった
どうしたと息を切らしながら言うと立ち止まった理由を理解しているのかカフェティ達は腰に下げていた剣に手を伸ばす
「軍隊長」
「…来る、構えろ!」




