道先案内人からのご挨拶
──ようこそ、ユースグリットのバザールへ! わたくしはバザールの道先案内人、ラーファと申します
──わたくしが何者か、疑問に思うのはごもっとも! どうか怪しまず!
──こほん、わたくしは主にバザールの道案内や、迷子や落とし物のお知らせなどをしております
──他にも地図やお店のガイド本の製本など、皆様にバザールを安全に、存分に楽しんで頂くため日々精進しております
──困ったことがございましたらお気軽にお声かけください、全力で、すみやかに、華麗に解決いたしましょう
──チョコミント色のカフタンワンピースと帽子を目印にしてくださいませ
──さて、ユースグリットはピクシェノス国随一の商いの街
──北の遊牧民、西の帝国、砂漠の民族、東方の国々、あらゆる国から商人が集います
──しかも、個人店から大手商会までお店も多種多様
──故に、この巨大市場には、売っていないものはないと謳われておりますの
──大げさ? うふふ、どうでしょう
──商いの糧は人の欲望と希望です
──バザールは糧を食い、馳走し、交流として還元し栄えてきました
──ええ、欲に溺れて破産した者も、希望を持ちすぎて素寒貧になった者もいらっしゃいます
──どうぞお買い物は計画的に!
──え、そういう話だったのかって? もしや怖がらせてしまいましたか……!申し訳ありません
──ああ、鐘が鳴りました、十二の門がいっせいに開かれます
──話にお付き合いくださり、ありがとうございました
──では、いってらっしゃいませ、良き一日となりますよう