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後書きに書く登場人物紹介はステータスのみです、外見や性格はそのうち番外編的に書きます。
「うぅぅ、今度はどうなったんだ?」
光がある程度収まってきたので目を開けると
今度は石造りの部屋の中だった。
しかも結構昔に建てられたらしく、所々ひびがはいっている。
「〜〜!! 〜? 〜〜〜〜!?」
部屋を観察していると扉の向こうから人の声らしきものが聞こえてきた。
しかも一人だけではないようで、話し声が複数聞こえる。
(そういえばアテネがこっちに来た人は30人以上いるって言ってたな、とすると一応は仲間ってことだな。とりあえず行ってみるか。)
雄貴たちもそこにいるだろうと考えた俺は声のする方へ向かって行くことにした。
扉をくぐるとそこはサロンのようになっていて人が20人ほどいるようだった。
高校生や大学生のような人が多かったが、中にはもっと年上の人もいた。
男女比は7:3ぐらいだ。しかし驚いたのはその人たちの髪や目の色が
ばらばらかつ普通ではなかったということだ。
(何だこの人たちの髪や目の色は!? 俺のは……変わってないな)
《カイトー!! 聞こえるー??》
不意にアテネが念話で呼びかけてきた。念話で呼ばれるのは初めてで、
胸の辺りが温かくなるような感覚だった。
《アテネ? どうしたんだ?》
《言ってなかったけど、カイト以外の人は神に力を与えられている立場だから多少外見が変わるのよ。》
《そうなのか。教えてくれてありがとうな。》
《いいのよ、そんなこと。それより次からも用があるときはこうやって呼びかけるから、カイトも用があったら今みたいに念話で呼んでね。》
《分かった。ん?誰かがこっちに来るみたいだからまたあとでな、アテネ。》
《じゃあねー》
なんだかアテネが最近とてもフランクに感じる俺だった。
「お、やっぱり海斗だったか。」
「…その声は雄貴、だよな?」
雄貴も顔や声は変わらないが髪と目の色が金色に変わっていた。
「そうだぜ、ついでに雷太も向こうにいるからそのうち来ると思う。」
「…にしても変わったなぁ。」
「いやいや、お前は変わらなさ過ぎなんだって。」
実際には全く変わってないけど、わざわざ言うこともないだろう。
「でも周りの話を聞いてると、変わったのは髪と目の色だけらしいぜ。例外もあったけど髪の長さが変わった程度だったし。」
「そうか。で、ついでに聞くが今のところ何にn「やっほ〜〜〜い、海斗。」………。」
紫色の髪と目をした雷太が現れた。海斗はそれを見ると無言で雷太に近づいていった。
「おいおいどうしtグハッ!!」
ボコッ! バキッ!! ゲシッ!!!……………………
「ふぅ、迷惑料はちゃんと返したぜ。」
「ところで雄貴、その背中の剣はどうしたんだ?」
雄貴が背中に背負っている、純白の大剣を指さす。
確かに雄貴はゲーム内で剣を使っていたがあんなに大きくなかったはずだ。
…え、雷太? その辺に転がしてあるけど何か?
いつものことだから何も問題ないし、現に雄貴も気にしてないぞ。
「あぁ、お前も説明受けたから分かると思うけどこれがオレの神力の結晶だ。」
「なるほど、納得した。」
「能力も教えたいところだが………秘密だ。」
「もったいぶるところは相変わらずだな。」
「そう言うなよ。ん? おい海斗、向こう騒がしくないか?」
「え? あぁ、ちょっといざこざが起きてるみたいだな。」
アテネと融合して五感が鋭くなっているからか、内容まできっちり聞こえてきた。
「どうやらガラの悪いやつが、しつこくナンパしてるみたいだぞ。」
「何だと!? 行くぞ海斗!!」
あ〜あ、雄貴の正義のヒーロースイッチが入っちゃったよ。まあ仕方ない付き合うとするか。
近づいていくと大学生くらいの男が俺たちと同年代の女の子に絡んでいるようだった。
周りの人は下手に手を出したくないからか少し距離を置いて、見て見ぬふりをしているようだった。
「いいじゃん、一緒においでよ〜。」
「いえ、友達がいますからいいです。」
「そんなこと言わずに仲良くしようぜ〜。」
「ーーっ、だからいいですってば。」
「チッ、いいから来い!!」
「きゃ、放してくださいっ!!」
「うるせえな、こっちにk「おい、やめろよ。」あぁ? 何だと?」
「だからやめろって言ってんだよ。」
「やめさせられるもんならやってみろよ。」
そう言うと男は女の子から手を離してこちらを向くと構えをとった。どうやら多少は武術の経験があるらしく構えはそこそこきれいだった。
「ほら、素手でやってやるから来いよ。」
「言われなくてもやってやるさ。」
雄貴はそう言い捨て相手に向かって突っ込んでいった。この世界ではゲーム内の強さが反映されるので
ゲーム内でレベル58の雄貴は相当強いはずだ。レベル58と聞くとそこまで強くないと思うかもしれないが、
ラスボスを倒すのはレベルが50あれば十分と言われていることから考えれば分かってもらえると思う。
しかも雄貴の家は道場なので、そんじょそこらの武道家などには技術で負けることもないはずだ。
……あの男終わったな
「うらぁぁぁぁ!!」
男は雄貴が突っ込んできたタイミングに合わせて顔面にパンチを繰り出すが、雄貴は身体を沈めてそれを回避する。そしてそのまま男の腹に体当たりすると男が体勢を立て直す前に、そのまま背負い投げをした。男は受け身を取る暇さえなく投げられ頭を打ったのか、頭を抱えて床で悶絶している。
俺は男のことはとりあえず雄貴にまかせて絡まれていた女の子に声をかけた。
腰ぐらいまでの長さの茶色の髪と髪の色と同じ茶色の目をしている。どうやら全員髪と目の色は統一されているらしい。
「え~っと、大丈夫か?」
「あ、はい、ありがとうございました、助けていただいて。」
「いや、お礼ならもう一人の彼に言ってあげて。やったのは全てアイツだから。」
「でも「クソがぁぁぁ、死ねぇっ!!」え?」
見るとナンパ男が立ち上がりナイフを女の子へ投げつけたところだった。どうやら雄貴に敵わないとみて攻撃の対象を変えたらしい。多分もう最後のあがきだろう。それにしてもここでこの女の子を攻撃するとは、予想以上のひどい奴だな。
「チッ!」
俺は呆然としていて動けない女の子を庇うように前に立つと、ナイフの刃を右手の人差し指と中指ではさみ受け止めた。
反射神経や動体視力も向上しているらしく余裕で受け止めることができた。
「セッ!!」
雄貴も今度は手刀で男の首を攻撃し、気絶させた。
「おつかれさん。」
「あの程度の奴じゃそうでもないさ。」
「何で最初から勝負を決めなかったんだ?」
「いや、同じ武術をやるものとして改心してくれるかと思ったんだが考えが甘かったらしい。」
「誰も怪我してないんだし、次から気をつければいいさ。」
その時助けた女の子が何か言いたそうに近づいてきたので
「さて雄貴、後はまかせた。」
と言ってこの場を去ることにした。騒ぎを聞いて集まりはじめている野次馬から逃げるためだ。あのまま
騒ぎの中心にいたらいい見世物だろう。とりあえず雷太を起こしにいくか。後ろから呼ばれた気がするが気にしない気にしない。
登場人物紹介です(ステータスのみ)
二階堂 海斗 Lv.35 職業:傭兵
HP(体力) 3000
MP(魔力) 1800
AT(攻撃力) 552
DE(防御力) 543
MA(魔法攻撃力) 715
MD(魔法防御力) 611
SP(素早さ) 657
宮川 雄貴 Lv.58 職業:聖騎士
HP 1200
MP 560
AT 354
DE 274
MA 254
MD 261
SP 304
橘 雷太 Lv.49 職業:魔術師
HP 1000
MP 680
AT 167
DE 253
MA 302
MD 272
SP 234
海斗がレベル35なのにステータスが以上に高いのは、アテネと融合したからです。実はレベル100以上のステータス値です。その辺の事情はおいおい書いていきます。