2-3
今回はいつも以上に短いです。
城に入った俺たちはまず王座の間へと連れてこられた。
その部屋ではすでに王や兵士らしき人たちが大勢居て俺たちの
到着を待っていたようだった。好意的な視線が多いが中には
明らかにこっちを睨んできている人もいる。
「よく来たな、お主たちがこの国を分担する者たちか?」
「はい、そうです。」
俺たちの一番前にいる雄貴が答える。いつの間にか
(多分寝ている間)雄貴がこのグループのリーダー的存在に
なっていたようだ。そのほうがこっちとしても楽なので嬉しいが…
「そうか。お主たちはこの後どうするか決めているのか?」
「はい、1週間後にこの城を出て魔王を倒しに行こうと考えています。」
あれ、そんなの決めたか?と周りを見ると雷太が
頷いているので寝ている間にでも決まったのだろう。
でも寝てたの知ってるんだから教えてくれよ……
「ふむ、それはお主たちだけで行くと考えていいのか?」
「そうです、我々8人だけでいくつもりです。」
「なるほど、分かった。しかし部下の中にはお主たちには任せておけないという奴もいてな、悪いが相手を頼んでもいいだろうか?」
「分かりました。ルールは何ですか?」
「3対3の試合で武器はこちらで用意したものを使ってもらう、もちろん魔法も有りだ。相手チームを全員気絶させるか降参させれば勝ちだが殺しは反則だ。」
「分かりました、3人ですね。」
シフォンが言っていた通りの展開になったな。
まあ、俺は出るつもりはないからゆっくりと観戦でもするとしよう。
「というわけだから行くぞ海斗、雷太。」
「え? 俺たちがやるの?」
「いいだろ、ちょうど3人なんだし。」
「そうだぜ〜海斗、女の子たちにかっこいいところ見せようぜ〜。」
「「それはどうでもいい。」」
とりあえず雷太は放置の方向で…
「それでどうする海斗? この中だとオレたち3人が一番連携が取りやすいと思うんだが。」
「分かった、ただし前衛は雄貴がやってくれ。」
「分かってる、最初からそのつもりだ。」
「こちらのメンバーは決まりました。」
雄貴が王様にそう報告すると向こうからも
3人の男がこちらに歩いてきた。
「うむ、こちらはこの3人に決まったぞ。」
「その方たちは?」
「この者たちはこの国の将軍で、この国では一番強い3人だ。この者たちとどれほど戦えるかでお主たちの力を見よう。」
「わかりました。」
「ではそこにある武器から1つ選んでくれ。」
近くにあるテーブルの上に武器がいくつか置いてあるので
その中から自分が好きな武器を選ぶらしい。
武器は練習用のものなのですべて木製のようだ。
いろいろあって迷ったが雄貴は木刀、雷太は魔法用の杖、
俺は弓を選び、相手の3人は木剣、魔法用の杖、木のナイフを選んだ。
ちなみに俺が弓を選んだのはこれから銃を使うことになるので
そのための練習をしようと考えたからだ。
選び終わる頃に敏明が俺たちに話があると言って
俺たちを呼んだ。どうやら能力で相手の力を測ってくれたらしい。
その結果相手の3人は全員レベルは40前後ということが分かった。
やはり国内最強は伊達ではないらしいが、そこまで気にすることも
ないだろう。
―補足―
海斗はアテネと融合して通常状態でもステータスが
異常に高くなっているのでリミッターをかけて
レベル相当のステータスまで力を落としています。
(解除は自由にできる)
天川兄妹の兄の名前が統一されていなかったので修正しました。ちなみにあとの方の名前が正しいです。次回は登場人物のステータスなどです。