2-2
ただ今不定期更新中
「海斗、起きろ。」
声が聞こえる、どうやら誰かが俺を起こそうと呼んでいるようだ。
まあ、アテネが話し合いをするみたいなことを言ってたから
そのために起こされるのだろう。
「ん? どうした、もう城に着いたのか?」
「いや、まだだけど少し話し合いたいことがあるんだ。」
「何について話し合うんだ?」
「自分のもらった神力の結晶について話し合おうと思う。これからいつどこで戦いになるか分からないから、少しでも戦いやすいようにしたいんだ。」
「なるほどな。」
確かにこれから戦っていく中で味方の能力が分かっていれば、
戦いがより有利に進められるだろう。しかし…
「味方とはいえ、手の内をさらすことにもなるがいいのか?」
「その点についてはすでにみんな納得済みだ。」
「そうか、ならいい。」
「じゃあまずはオレからな。」
雄貴はそう言って背負っていた1.5メートルほどもある純白の大剣を降ろし、俺たちに見えるように置いた。
「これがオレの神力の結晶の大剣だ。名前はボニタスで能力は魔力の分散、つまりこの剣は魔法攻撃もも斬ることができる。それにこの剣はオリハルコン製だから傷つく心配もない。」
オリハルコンと言ったところで何人か驚いているな。確かにこのゲームでは
オリハルコンは存在しているがとてもレアなもので見つけた人が3人しかいないらしい。
反応しなかった人はそのことを知らないんだろう。ちなみに俺の持っている指輪は
ヒヒイロカネでできているが、これはアテネが創った金属なのでゲーム内には
もともと存在していないものだ。
「それじゃああとの人はこの席の順番で言っていくことにしよう。」
説明し終わった雄貴が周りを見て言った。
つまり順番は雄貴→雷太→俺(海斗)→凛→美羽→月→太陽→敏明ということだ。
「じゃあ次は自分の番だな。自分の神力の結晶は白い本で名前はアルカナ、能力は天候を操ることだ。」
雷太が手に持っているB5のノートと同じくらいのサイズの
真っ白な本を見せて、ぱらぱらとめくっていた。
細かい字で何か書いてあったがそれを読めるのは能力をもらった
雷太だけらしい。
次は俺の番だな、アテネとの打ち合わせ通りにやれば問題ないだろう。
「俺の神力の結晶、ヴェリタスは白銀の銃で能力は魔力を弾として撃つことだ。ちなみに魔力の込めかたによって威力などを変えられるみたいだ。」
みたいだと言ったのはまだ試したことがないからで、アテネが言うには
着弾地点を凍らせたり貫通弾のようにしたりもできるらしい。
その後も説明は続いていき全員が説明し終わったのは
城が見えてくるころだった。
ちなみに他の人の神力の結晶はこんな感じだった↓
凛:ミスリル銀製の30センチくらいの小刀で名前はパトロン、退魔能力がある
美羽:ユグドラシルの枝で作られた50センチくらいの杖で名前はヴィルトス、能力は超治癒能力
月:月長石のペンダントで名前はパクス、能力は獣化と自分を水に変えること
太陽:タングステン製の1メートルくらいの剣で名前はグロリア、剣に炎を纏わせることができる
敏明:スカウターみたいなもので名前はオクルス、相手の力や弱点を見ることができる
ちなみに月の能力が2つあるのはこの世界には月が2つあるかららしい。
「みなさん、城に着く前に言っておきたいことがあります。私は異世界の人に助けてもらうという考えに賛成していますが、中にはそれに反対している人もいます。そのため城で腕試しのようなことが行われるかもしれませんが、あらかじめそのことは理解してください。」
城にもうすぐ着くという時にシフォンがそう切り出した。
やはり見ず知らずの人に自分たちの世界を任せるのは不安だという人がいるのだろう。
俺以外の人もある程度予測していたのか特に反論する人はいなかったが、
凛や太陽なんかは少し不満そうだ。
「いいさ、オレたちもその腕試しで自分たちの力を確かめることにする。」
雄貴がそう言うとシフォンは若干顔を赤くしながらお礼を言った。
さしずめ俺が寝ている間に何かあったのだろう、この世界に来てから
初めて惚れさせた相手が王女か…
この世界でも雄貴争奪戦がそのうち起きそうな予感がする俺だった。
今さらながら服装を書いてないことに気付きました。そのうち後書きで書く予定だったステータスと一緒に書くつもりです、順番がばらばらですいません。