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英雄とドラゴン  作者: ヒトミ
第一部の一話ごと完結番外編
59/60

黒天族の核

エピリスとの一戦後、手元に残った核をどうするか、ラルジャンは悩んでいた。


遺跡の核のように、皇帝に献上するのは論外だ。


他人を魅了し操る力がある代物(しろもの)だなんて、危険極まりねえ。


いっそのこと破壊してしまいたいが、どうやれば壊せるのか?


ミストラルに相談でもしてみよう。


◆◆◆


「黒天族の核とはのぅ。封印するのはどうじゃ?」


侯爵邸の庭園で寛いでいたミストラルは、俺の相談に対して一つの案を出してきた。


「破壊はできねえのか?」


封印はやろうと思えば解けちまうからな。できるもんなら、この世から消し去ってしまいたいんだが。


「うむ。核に渦巻く魔力が、自然に枯渇するのを待つしかないじゃろう」


アルフェを撫でながら頷くミストラル。


随分ミストラルに懐いてるよな……。まぁいい。


「そんじゃ、仕方ねえ。浮島に戻ったら、封印部屋でも作るとするか」


もし俺の身に何かあったとしても、浮島に置いておけば持ち去られる心配もねえからな。


「いい考えじゃの。わらわは賛成するぞ」


◆◆◆


二人が浮島に帰った次の日、温泉の(となり)に小屋が一つ建てられた。


小屋の中にはエピリスの核がポツンと置かれているが、その数はこれから先、徐々に増えていくだろう。

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