黒天族の核
エピリスとの一戦後、手元に残った核をどうするか、ラルジャンは悩んでいた。
遺跡の核のように、皇帝に献上するのは論外だ。
他人を魅了し操る力がある代物だなんて、危険極まりねえ。
いっそのこと破壊してしまいたいが、どうやれば壊せるのか?
ミストラルに相談でもしてみよう。
◆◆◆
「黒天族の核とはのぅ。封印するのはどうじゃ?」
侯爵邸の庭園で寛いでいたミストラルは、俺の相談に対して一つの案を出してきた。
「破壊はできねえのか?」
封印はやろうと思えば解けちまうからな。できるもんなら、この世から消し去ってしまいたいんだが。
「うむ。核に渦巻く魔力が、自然に枯渇するのを待つしかないじゃろう」
アルフェを撫でながら頷くミストラル。
随分ミストラルに懐いてるよな……。まぁいい。
「そんじゃ、仕方ねえ。浮島に戻ったら、封印部屋でも作るとするか」
もし俺の身に何かあったとしても、浮島に置いておけば持ち去られる心配もねえからな。
「いい考えじゃの。わらわは賛成するぞ」
◆◆◆
二人が浮島に帰った次の日、温泉の隣に小屋が一つ建てられた。
小屋の中にはエピリスの核がポツンと置かれているが、その数はこれから先、徐々に増えていくだろう。




