1/3
1
気が向いた時に書きます。
毎回短くなっちゃうかもですが許して
「やぁ」
顔のない人が話しかけてくる。
「なに?」
「ちょうだいよ、色」
そいつが僕の体に触ろうとするので、その手を払う。
「やだね、それにあげれないの知ってるでしょ」
「ちぇー」
ぺっと唾を吐くと、そそくさとどこかに去っていった。
この世界は白黒で満ちている。僕が産まれてくる前は白と黒なんてものも無かったらしいけど。
この世界で色を持っている人は僕だけらしい。他の人、建物、動物は全て色がなくて、生き物に限っては影も無いから全員のっぺらぼうに見える。のっぺらぼう達は僕が羨ましいらしくて、僕が小さい頃は色々弄り回されたんだけど、結局何も分からなかったらしい。それでも、話しかけてくるやつは結構いるけど。
周りが少しずつねずみ色がかっている。暗くなって見えなくなる前に早歩きで帰る。道行く人は僕を見つめてボソボソと呟く。
「色付きだ、色付きだ」
「いいな、私も欲しい」
聞こえてないフリをして通り過ぎる。こんな毎日で本当に嫌になる。気を紛らわすために今日の夜ご飯は何かについて考える。




