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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第3章 縁の国・平定編(中編)
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第77話 結ヶ原の合戦・その2

 桜色の陣羽織を着た咲夜を始めとする、平昌幸率いる援軍が、ようやく戦場へ駆けつけた! 銀髪姫が発した風刃の法術を皮切りに、守綱、竜次、あやめといった将達と、7000の精兵が、結ヶ原に怒涛の如く流れ込んで行く!


「与一、よく守ってくれておる。後は我らに任せておけ」

「間に合いましたね、父上」


 背後から虚を突かれたオーガの軍勢は、猛将である守綱と竜次の部隊600名から猛攻撃を受け、ほぼ一気に総崩れとなった。昌幸と幸村も本軍を動かし、前線で獅子奮迅の活躍を見せる、先陣を切った猛将達の、バックアップとして備えている。


「御館様、ありがとうございます……しかし、あの男は何者だ? あのような猛者が、縁の国にいたか?」


 震天弓の矢を、光の法力と共に放ち、疲労のため肩で息をしている与一だったが、草を薙ぐようにオーガを斬り、戦場を切り開いて進む竜次を見て、その疲れすらも忘れ、細い目を見開き大いに驚いている。竜次の(いくさ)働きは、他の誰とも比較にならない、人並み外れたとてつもない強さだった。


(最初はドウジギリに体がついて行っただけだったが、今は自分の意志で振れてきている! これならいけるぞ!)


 オーガの岩をも砕く拳や蹴りが飛んでこようと、竜次はそれを全て見切り、一刀両断に鬼たちを次々と倒していく! この猛将が斬り伏せたオーガの屍は、既に数十体に及んでいるが、鬼神の剣舞の如き戦いを、結ヶ原で見せている竜次には、気がかりなことがあった。


「こいつらは本隊じゃねえだろ! 大将はどこだ!」


 縦横無尽に斬り進みながら、大声を発したその時! 新たに現れたブルーオーガの軍勢が、進軍のため陣形がやや伸びた前線の平軍に、横殴りの形で突撃してきた!


「か~っ! やりおるわ!! ここが踏ん張りどころじゃ!! 防げ防げ!!」

「態勢を立て直して応戦して!! みんな!!」


 守綱とあやめの部隊は、少しの虚を突かれたが、すぐさま陣形を整え直し、兵に幾らかの損害を出しながらも、青鬼の大群相手に奮戦を始めた。兵の高い士気と練度、それに2人の将の統率力により、被害は最小限に済んでいる。しかしながら、相手は青鬼だけではない、後詰めの敵本隊が激しい妖気を漂わせ、駆け進んで来ている!


(これほどのオーガの大軍は見たことがない! でも、やるしかない!)


 肚を決めたあやめは、コギツネマルで(またた)く間に、2体のブルーオーガを斬り倒すと、部隊の同士たちに下知し、堅固な守りの陣形を作り、できる限り難敵を迎え撃つ準備をした。


 向かってくるオーガの本隊は、およそ600。結の町守備兵を含む平正規軍は、ここまでの戦で損害が出ている。現状の兵力でまともにぶつかれば、どちらに勝敗が転ぶかわからない。だが平正規軍には、まだ切り札が残っていた。

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