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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第6章 暁の国・平定編(後編)

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第269話 エディンバラ攻城戦・その3

 アーサー王率いる暁の国縁の国連合軍は3方向から一斉に突撃を開始した。エディンバラ城正門を破壊し、撹乱作戦はほぼ成功と言えるが、連合軍をよりスムーズに防壁内に引き入れるため、あやめと竜次は、もう一つ大仕事をこなさなければならない。


「竜次さん。私はまず西の防壁に行き、大門を破壊します。その後、北の大門まで走り、西と同様に爆破します」

「分かった。東の大門は俺に任せてくれ。後で無事に会おう」


 あやめと竜次は手早く打ち合わせると、10名の最精鋭部隊を5名ずつに分隊し、彼らを率いて西と東の二手に分かれた。夜襲で大混乱となったエディンバラは、城も城下町も今、騒然としている。総大将の虎熊童子も異変に気づいたのだろう。城内に詰められていた多数のオーガたちを城下町に放ち、突撃してくるアーサー王の軍に対抗する備えを整えようとしている。


 とにかく後は時間との勝負なのだが、天運がこのとき、東の大門へ全速力で移動中の竜次に味方した。


「お待ち下さい! そこの御武人!」

(……?)


 闇夜によく通る大声に呼び止められ、竜次が振り向くと、そこには穏やかながら強い眼光を持つ老翁と、二人の精悍な壮年が立っていた。老翁の眼光をその目で受けた竜次は、瞬時に記憶をたどり、()()()()を思い出す。


「もしや!? あなたは、エディンバラ町衆を束ねる長老では!?」

「その通りです。時間がありません。手短に話しましょう。今、エディンバラに攻め込もうとしているのは、アーサー王の軍ですな?」


 竜次は長老の問いを受け、首を縦に振りながら「はい」と答えた。


「分かりました。今から我々は武装蜂起し、アーサー王の軍を引き入れます。防壁北の大門は我々が開けましょう」

「ありがとう! 俺は東の大門を開けるのに専念します!」

「お互い生きて再会しましょう」


 このような状況でも長老と精悍な町衆の壮年は全く動じず、竜次へ向けてニコリと笑うと、辺りにいる民たちへ、家屋に隠し持っていた武器と防具を身に着け、立ち上がるよう号令をかけた! 長老から号令を受けた民たちは、この時を待っていたとばかりに歓声を上げ、鬼の支配からエディンバラを取り返すため、武装蜂起を開始する!




 あやめと竜次率いる夜襲実行部隊と、武装蜂起した民たちの活躍により、東西北にある防壁の大門は全て開かれ、アーサー王率いる暁の国縁の国連合軍は、城下町へ続々と引き入れられていく!


 天運も味方し、夜襲による撹乱作戦は、ほぼ完璧に成功した。完全に勢いづいた連合軍は、エディンバラ城内へ雪崩(なだれ)を打って進入する!

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