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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第6章 暁の国・平定編(後編)

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267/321

第267話 エディンバラ攻城戦・その1

 左利きのアーサー王が、右手首に着けた愛用の手巻き式腕時計で、時刻を今確認している。時計によると現在夕方の5時を回ったところだ。シャーウッド軍4000名と各将たちが潜んでいるエディンバラ西の森林には、静けさが全体に染み渡るかのごとく広がっており、西から差す秋の夕日も、地平線の下へもうすぐ沈んでいくだろう。


 ここまでの進軍を通して見ると、まるで(あつら)えたのかと思うほど絶好の条件が揃い、スムーズに事が運んでいる。果断なアーサー王は迷うことなく、あやめと竜次及び選抜された10名の最精鋭部隊に指示し、事前に行ったシャーウッドでの作戦会議通り、エディンバラ城攻略に向け、夜襲を開始させた。




 10名の最精鋭のうち数名を先行させ、辺りを慎重に偵察しながら、あやめと竜次率いる夜襲作戦部隊は移動している。こちらの動きが敵に気づかれると、夜襲が失敗に終わる可能性は非常に高まるのだが、首都の最周辺地帯においても、虎熊童子が敷く警戒は手薄のようだ。熊童子の大敗戦で失った戦力が、相当なものだということだろう。


 軍馬を用いて移動しているあやめと竜次、及び10名の最精鋭部隊は、エディンバラ城の後方までオーガたちに気づかれず、無事回り込むことに成功した。すぐに、手頃な近くの木へ軍馬を繋ぎ、全員が下馬すると、エディンバラ城の勝手口近くを確認できそうな林の茂みまで、気配を殺した低姿勢で夜襲部隊は歩き進む。


「さて、城へ近づいてる間に、日が落ちて夜になったな。敵が気づかねえのはいいことだが、ここからでも辺りが暗すぎて、勝手口周りの様子がよく見えねえ」

「大丈夫です。暗がりに備え、遠見の眼鏡という道具を持ってきています」


 あやめはそう言うと、無限の青袋から比較的薄いレンズの眼鏡を取り出し、自分の耳にそのフレームをかけ、城勝手口の方向を見始めた。眼鏡姿のあやめもチャーミングなものであったが、今はそんな場合ではない。千里眼と暗視の法力が込められた遠見の眼鏡を使い、勝手口辺りを見渡すと、周囲には数匹のオーガのみが警戒しているばかりである。アーサー王が事前につかんでいた情報通り、防備が手薄だ。


「この警戒態勢なら、夜襲による撹乱を実行できそうです」

「やるしかねえな。よし、行くか! みんな!」


 竜次はあやめと10名の最精鋭部隊に示し合わせると、ドウジギリ・改を抜き放ち、漆黒の甲種甲冑装備を身に着け、夜の静寂に紛れながらも一気呵成にエディンバラ城裏手へと駆け走った!


「…………」


 突然闇夜から現れた夜襲部隊に、気づいた時はもう遅い。城勝手口付近にいた2匹のオーガは、驚く間もなく竜次とあやめに首を刎ねられ、野辺に大きな亡骸を晒している。


(よし! これなら!)


 警戒のオーガを上手く斬り、夜襲作戦に手応えを得たあやめは、余勢を駆り、勝手口へと通じる城裏手につけられた階段を素早く走り上がる!

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