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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第6章 暁の国・平定編(後編)

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254/321

第254話 生真面目な将軍

 将軍ランスロットと精兵50名は、思わぬ未知の敵との戦いで心身ともに消耗しながらも、咲夜たち縁の国5人の将から大きな助けを受け、1人も命を落とすことなくソールズベリーでのオーガ掃討作戦を、終えることができた。


 掃討戦を行う最中、3匹のホワイトオーガが手強く、暁の国縁の国連合軍は特に手こずった。結果として少なくない負傷兵を出したわけだが、咲夜が唱える治癒の法術、ひどい打撲にも特効がある傷薬などで治療を行い、傷を受けたほとんどの者たちは、自力で歩いてシャーウッドまで帰還できている。


 オーガの剛腕による攻撃を受け、傷が骨まで達している者もいたが、それらの者たちは応急治療により重傷の苦しみが緩和され、容体が安定した後、輜重隊(しちょうたい)の荷馬車に乗せられた。傷に響かぬよう丁寧に運ばれた彼らも、皆と共に拠点であるシャーウッドまで、1日かけて無事戻ることができた。




「よく帰ってきた!」


 シャーウッドの役所兼砦の執務室にいたアーサー王は、ランスロットと精兵50名、咲夜たち縁の国5人の将の全てが、無事戻ったという報告を守衛兵から聞くと、一目散に建物から飛び出し、彼ら彼女らを出迎えた。アーサー王は当然、相当な心配を今までしていたが、ランスロットの五体満足な様子を見てホッと胸をなでおろしている。


「我が君、帰還に時間がかかり、申し訳ありませんでした。想定外の敵に遭遇し、危ないところでした。咲夜様と縁の国の皆さんが援軍に駆けつけてくれていなければ、どうなっていたか分かりません」

「謝ることはない! 皆、無事に帰ってこれたのだ。まず良いではないか。どういう未知の敵と戦ったのかは、砦の中でゆっくり聞こう」


 将軍ランスロットは、率いてきた精兵50名を消耗させてしまった予想外の苦戦を、思い返しているのだろう。面目なさそうにうつむいている。生真面目に自分を責めすぎるきらいがある将軍だが、アーサー王は、意気消沈している彼を元気づける意味で、努めて明るく振る舞い、掃討作戦からの帰還を(ねぎら)った。


 ランスロットは、アーサー王からの温かい労いを受け、幾分気持ちを持ち直せたようだ。いつも通り胸を張り、シャーウッドの役所兼砦に入って行く。絶大な信頼を置くランスロットに活力が戻ってきたのを、その目で確認したアーサー王は、


「咲夜姫、皆さん、今回も多大なご助力を頂きました。ありがとうございます。ただ、厚かましいのですが、まだまだ皆さんの力を貸して頂かないと、この国は力を取り戻せません。これからのことを相談したいのです。皆さんも砦の中にお入りください」


 丁寧な言葉で咲夜たち5人に、ランスロット救援の礼を述べると同時に、暁の国を復興に導くため、力の貸与を改めて依頼した。


 咲夜はシリアスな顔で、ゆっくり同意のうなずきを返した後、アーサー王と竜次たち4人の将と共に、先へ行くための歩みを進める。

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