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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第6章 暁の国・平定編(後編)

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253/321

第253話 生じた難題

「私がアロンダイトで、あのホワイトオーガを出来るだけ斬ります。そのあとを頼みます、皆さん」


 そう竜次たち5人の将に伝えると、白鬼の固い体を打ち砕くのに特効がある剛剣アロンダイトを振りかぶり、ランスロットは突撃した! 尋常でない頑丈さを持つとはいえ、ホワイトオーガの攻撃力や敏捷性など他の能力は、レッドオーガとほぼ変わらない。のそりのそりとした動きでこちらに近づき、太い腕から繰り出してくる白鬼のパンチを見切ったランスロットは、大上段に構えたアロンダイトの大刃を、ホワイトオーガの素首に叩き込み斬り落とすと、


「もう一度だ!!」


 剛剣を素早く持ち直して刃を返し、白い丸太のような右腕を、肩口からスパンと斬り飛ばした! アロンダイトの武器的特長を生かした見事な手並みである。しかしながら、この斬撃はホワイトオーガにとって致命傷ではない。時間が少し経てば自己再生能力により、首も腕も元通り生えてきてしまう!


「ランスロット将軍! 離れて!」


 咲夜の鋭い声を聞き、ランスロットはホワイトオーガと対峙しているその場から、反射的に飛び退いた! 咲夜は、法術の攻撃範囲外にランスロットが退避したのを見計らうと、


「朱雀炎!」

「双炎狐!」

「…………」


 仙と晴明、2人の術者と共に、炎の法術で、動きが止まったホワイトオーガの体を焼き尽くさんと試みた! 3人の強力な術者が生み出した爆炎は、ホワイトオーガの巨体を瞬く間に飲み込み、その肉や骨は、高熱により全て消し炭となった! 体を完全に焼き尽くされれば再生のしようがなく、ホワイトオーガは燃え後に白い宝珠を1つ残してこの世から消え去っている。




 手こずりながらも総力を上げて、竜次たち一行とランスロットは、何とかホワイトオーガ3匹を倒した。しかし、エディンバラ奪還作戦を決行する時、この白鬼が数十匹規模でいたら、暁の国縁の国連合軍の勝ち目は非常に薄くなるだろう。強さ自体はどうにかなるが、耐久力がとてつもなく、厄介過ぎる。


「ソールズベリーに残っていたオーガは、これで全て倒したことになりますが、それにしても……困った問題ができた」

「そうですが、言い換えれば、ここで戦ったホワイトオーガが3匹でよかったと思います。未知だった敵の戦力がつかめました。懸念は残りますが、どういう対処法を講じればよいか、これから考えていきましょう」


 ランスロットは真剣なやや沈んだ顔で心境を吐露していたが、咲夜は暁の国の将軍に寄り添い、ポジティブな言葉で勇気づけた。


 ホワイトオーガは厄介ではあるが、正体が分かった以上、集団で現れたとしても、効果的に倒していける手段があるはずだ。次の戦いまでまだ時間は残されている。シャーウッドに戻り、咲夜の言う通り皆で知恵を出し合い、白鬼対策をまとめればよい。

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