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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第6章 暁の国・平定編(後編)

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249/321

第249話 アンノウン(正体不明)

 草の茂りがところどころに見られるだけで、やや荒涼とした大地が続いているソールズベリー平原。そのステップ地域の土がちな平地の一角で、竜次たち一行は、シャーウッド軍の斥候兵と何かを話し合っている。


 竜次たち一行にランスロットの救援を頼むより前に、アーサー王は(あらかじ)め、幾人かの斥候兵をソールズベリーに向かわせていた。シャーウッドの砦兼役所から出ようとしたとき、先行している斥候兵の小集団がいることを聞いた咲夜は、一連の計画をその場で練り皆に伝えている。


 咲夜が考えた行動計画の内容は、晴明の縮地でソールズベリー平原に瞬間移動した後、斥候兵たちと落ち合い、天神足が使えない竜次、咲夜、あやめが乗る軍馬を兵たちから借りて、ランスロットが原因不明の苦戦を強いられているのであろう現場に駆けつける、というものだ。


 その計画通り、竜次たち一行は斥候兵の小集団と落ち合い、3頭の軍馬を借りることができたのだが、アーサー王が言っていた通り、斥候で戦場の様子を知っているはずの兵たちいずれに情報を聞いても、何が起こっているのかいまいち要領を得ない。はっきりと聞けたのは、得体の知れない少数のオーガに手こずり続けているということだけだ。


「咲夜姫、馬を借りて俺たちの移動手段が手に入りましたし、とにかく現場に行きましょう。行ってみないことには、これ以上何も分かりません」

「竜次さんの言う通りですね。先を急ぎましょう」


 豪胆さと繊細さが心の内に混在している竜次であるが、こういう状況判断を迷いそうになる場合において、彼は常に最善の選択肢を嗅ぎ当てることができ、果断に行動を次に移せる特長を持っている。良将に必要な特性を持つ竜次を深く信頼している咲夜は、その提案通り、ランスロット将軍が戦い続けている現場に皆と向かった。




 ソールズベリーのステップ地域は、殺風景ながら邪魔をする障害物が少なく、軍馬と天神足で移動し易い。竜次たち5人は順調に駒と足を進め、ソールズベリー平原の西外れ、森林と平地が入り混じり、ステップの広がりが終りかけている()の現場に到着した。


 ランスロットは50名の精兵を率いてオーガの残党と戦っていると、斥候兵は先程話していた。戦場の状況は、確かにその情報通りなのだが、


「ん? なんだろうね、あの真っ白なオーガは? 晴明、あんたああいうの見たことあったかい?」

「いや、ない。私も初めて見るオーガだが、ランスロット殿は、あの白いのに苦戦しているようだな」


 幾星霜生きてきたか分からぬ二人ですら見たことがない白鬼に、ランスロットは多少息を切らせながら対峙している。


 討伐隊苦戦の原因は間違いなく、正体不明の真っ白なこのオーガだ。

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