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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第6章 暁の国・平定編(後編)

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235/321

第235話 一区切り

 参加者各人の酒が進み、宴もたけなわになってきた。料理人が厨房で早朝から大量に作ったサンドイッチやポトフは、宴の中で酒の肴としてどんどん食べられていき、あれだけ深皿や大皿に盛られていた料理も半分以上は無くなっている。


「アーサー王、ランスロット将軍、宴の最中なのですが、私からちょっと断りを言わないといけません」

「おや? 気になることを仰るな。何でしょう? 忌憚(きたん)なく話してください」


 ソールズベリーの合戦での勝利を祝う宴は昼から催されているが、ほろ酔いのアーサー王が右手首に着けている銀製の手巻き式腕時計を確認したところ、今は既に夕刻を回っている。傍で気分良く呑んでいるランスロットと竜次も、王と同じく良い感じのほろ酔いだったが、咲夜から若干シリアスな表情で話しかけられ、彼らの酔いは少し醒めたようだ。縁の国の姫に対し非礼が無いよう、王と将軍は襟を正し、咲夜の方を向き直している。


「いえいえ、そんなにかしこまって頂くことではないんです。先の合戦で私たちは熊童子率いる軍勢を全て倒し、勝利を収めました。一段落と言えばよいのでしょうか、一つの区切りがついたので、縁の国に一旦戻り、父、平昌幸と共に4つ目の銀杯で、国鎮めの儀式を執り行おうと思うのです」


 咲夜は、竜次など同行してきた将たちと共に、縁の国に帰るということを言っている。咲夜を始めとする縁の国5人の将が一時的にでもいなくなれば、暁の国の軍は多大な戦力ダウンになる。しかしながら、暁の国縁の国連合軍は、咲夜が言っている通りソールズベリーの合戦でオーガの大軍を全て打ち破る大勝を収めた。殲滅したオーガたちは総勢400匹、敵軍の大将である熊童子の首も刎ねている。


 現状、暁の国の首都エディンバラを、残る四天王の一角、虎熊童子が支配しているといえども、先の合戦で失ったオーガ軍の損失は甚大なはずである。(いくさ)に400匹を向かわせた後、エディンバラにどのくらいのオーガたちが残っているかは分からないが、少なくとも、すぐ次の合戦を起こす戦力の余裕は、虎熊童子に無いはずだ。


「なるほど、よく分かりました。先の(いくさ)におけるオーガたちの損耗を考えると、しばらくは小康状態を保つ形で、シャーウッドを守れるでしょう。国鎮めの儀式は咲夜姫にしか執り行えない、最重要な神事です。縁の国へ一旦帰られ、神聖な祈りを捧げて下さい。お父上平昌幸殿にも、よろしくお伝えください」


 咲夜の断りを聞いた後、腕組みをして難しい顔でしばらく沈思していたアーサー王だったが、考えがまとまったようだ。表情を緩めると穏やかな声で、咲夜に国鎮めの儀式の確実な執り行いを頼み、縁の国へ皆が一旦帰ることを承諾した。

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