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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第5章 暁の国・平定編(前編)
205/321

第205話 一掃

 ランスロット率いる治安維持部隊を囲むオーガの群れは多かったが、援軍として来た竜次たち5人は、1人1人が一騎当千を超える実力を持っている。竜次とあやめが振るう刀は、オーガたちを紙のように造作もなく斬り、咲夜、仙、それに晴明が巻き起こす各種の法術は、襲いかかるオーガの群れを打ち砕き、あるいは焼き尽くした!


 援軍の竜次たち5人が来て以降、およそ1時間で勝負は決し、シャーウッドの北に位置するこの地域のオーガたちは一掃された。ランスロット率いる治安維持部隊と竜次たち一行の勝利である。


 オーガ掃討戦を行っている中で、ランスロットと竜次たち5人は、やや深い森の中を探索し、仁王島の星熊童子討伐戦で見た、オーガ発生母体の蜘蛛の巣文様を2つ発見した。2つのオーガ発生母体文様は、仁王島にあったそれらのように茶色く枯れておらず、母体中央にオーガの幼体を宿していないながらも、機能を失っていない。


「せっかくオーガたちを一掃したのに、この母体を放っておいては堂々巡りになるな。私が何とかしよう」


 晴明は、そう請け負ったかと思うと、オーガ発生母体文様に向け手をかざし、何かの真言らしきものを唱え、陰陽道の力に沿った法術を発した!


「封鬼殺!」


 高めた強い法力により、晴明の右手から発せられた放射状の赤い光が、オーガ発生母体文様を包み込むように覆い、数十秒程の間に母体が持つオーガを産む力を全て中和させ、青い光を放っていた母体文様は力を失い、茶色く枯れ果ててしまった!


「うむ、これでよかろう。もう一つの母体も枯らしておくぞ」


 信じられないことをやってのけた晴明は、いつもの通り涼しい顔をしている。それを見た仙以外の皆は、人間離れした力を持つ最強の陰陽師の実力に、驚愕して立ち尽くしていた。




 晴明の特殊な法術により、この地域一帯で発見し得る限りのオーガ発生母体文様は枯らされ、全て産む力を失った。オーガ討伐を終えた竜次たち一行はシャーウッドへ帰還する途中、ランスロットに国状などを聞いていたのだが、暁の国第2の都市シャーウッドにとって、都市から見て北に位置するこの地域のオーガ群は悩みのタネだったらしく、シャーウッド特産の木製家具を運ぶ商団などが、しばしば襲撃されることがあったそうだ。


「あなたの助力で、シャーウッドの民は救われました! 本当に感謝します!」


 心から嬉しそうな笑顔を見せ、晴明と握手を交わしたランスロットの目は澄み切っている。暁の国を支える将軍からの、偽りない礼を受けている晴明はというと、


(多少、竜次殿に似た所があるな。このランスロットという御仁は)


 そんなことを考えながら少しばかり苦笑していた。

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