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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第5章 暁の国・平定編(前編)

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193/321

第193話 力の見極め

 甲種甲冑装備を身に着け、ドウジギリとコギツネマルの切っ先を向けている竜次とあやめを、3匹の赤竜鬼は完全に敵と認識した。ずんぐりとした図体ながら、赤竜鬼たちは予想以上の足の速さでこちらに突進してくる! しかし、その動きにより敵の力を推し量れた竜次たちは、冷静に態勢を整えたまま、大きな牙を剥き出しにした大口を開け、向かってくる竜たちを待ち構えている!


「青龍刃!」


 知性が低い赤竜鬼たちが、不用意に距離を詰めてきたところを見計らい、咲夜は四象の杖の力を使い、猛烈な風の刃を空間に作り出し、解き放った! 高速で空気を切り裂くように飛んで行く3つの青龍刃は、3匹の赤竜鬼の硬い皮膚を持つ胴体に全て命中した!


「グオオオォォオオッッ!?」


 風の刃をまともに受けた赤竜鬼たちは、太い腹から血を吹き出し、苦しみの咆哮を上げている。胴体を切られた鋭い痛みにより、竜たちの突進はその場で完全に止まった。怯えと恐慌の色に変わった赤竜鬼たちの目を見て、竜次は一瞬だけ憐れにも思ったが、


(いや、情けをかけちゃいけねえ)


 自分の甘さをすぐ振り払うと、ドウジギリの力による導きを借り、赤竜鬼2匹の首を瞬く間に刎ね飛ばした! 残る1匹の方へ体を向けると、既にあやめのコギツネマルが竜の首を斬り落としており、大きなむくろが、土の大地にずっしりとした存在感で横たわっている。




 赤竜鬼の骸は中程度の大きさを持つ3つの赤い宝珠へと変化し、咲夜はそれらの宝珠を拾うと、無限の朱袋へ丁寧に収めた。暁の国第2の都市シャーウッドで換金すれば、旅で使う路銀の大きな足しになるはずだ。


「うむ、本当にあなた方は強くなったな。これなら星熊童子に勝てたのもうなずける」


 先程の戦いに加わっていなかった晴明は、鮮やかに3匹の赤竜鬼を撃退した竜次、咲夜、あやめを称賛し、3人が身につけてきた力に納得もしている。


「私も、ちょっとあんたたちの今の力を見極めたくてね、敢えて様子を見ていたんだけど、大したもんだね。これからは、あんたたちを守りながら戦わなくてもよさそうだね。安心したよ」


 どうやら晴明と仙の実力者2人は、自分たちの力抜きでどれだけ出来るか、竜次、咲夜、あやめたちが持つ現在の力を知りたかったらしい。そのため、敢えて戦闘に参加せず傍から見ていたのだと言っている。なるほど、星熊童子や金熊童子といった首領格の鬼には遠く及ばないが、レッドオーガやブルーオーガなど、人形(ひとがた)のオーガより強い赤竜鬼は、竜次たち3人の力を測る上で、格好の敵だったと言えよう。


 最強の陰陽師、晴明、大霊獣九尾の狐、仙、それぞれから力を認められた竜次、咲夜、あやめは、何か誇らしい気分にもなり、素晴らしく意気が揚がっている。お互いを認め合えたパーティは、これから待ち受ける困難に対しても、そのポテンシャル以上の力を発揮し、克服できるだろう。

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