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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第4章 縁の国・平定編(後編)
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第130話 謎の武将との戦い・その1

 ドウジギリを構えた謎の武将が放つ圧力は凄まじかったが、不思議と竜次とあやめに向けた、恨みや怒りといった負の感情は流れ込んで来ない。それどころかこの戦いを楽しんでいる風にすら見える。


「何が何だか分かんねえが、戦って切り抜けねえと! だが、どう攻める?」


 竜次も宝刀ドウジギリの切っ先を、謎の武将の喉元に向けてはいるが、相手の隙が全く見つからない。剣先にかかる多大なプレッシャーを何とかいなしつつ、嫌な冷や汗をかきながら構えを保つのがやっとである。


「焦ってはダメです、竜次さん! 呼吸を合わせて、こちらから斬りかかりましょう!」

「それしかねえな!」


 冷静なあやめも、予期せぬ強大過ぎる敵と対峙し、このときばかりは冷や汗をにじませていた。焦りは禁物という竜次にかけた言葉も、自分の乱れつつある感情を少しでも整えようと、咄嗟に出てきたのだろう。


 2人が戦いの方針を決め、呼吸をピッタリ合わせ始めたその時! 謎の武将がこちらに向けた切っ先が、ほんの僅かに揺らいだ! 竜次とあやめはその刹那、左右から目に追えないほど高速の斬撃を同時に叩き込む!


(何だと!?)


 縁の国随一の猛将である、2人の連携攻撃は完璧であった。しかし、謎の武将は容易(たやす)くその上を行っている! 兜に覆われていない首を、左右から同時に狙った斬撃は瞬間的に見切られ、謎の武将はドウジギリの刀身で、竜次とあやめの刀を完全に受け止めた!


(…………)


 気合声を発することもなく謎の武将は恐るべき膂力で、受け止めていた2振りの刀を払い飛ばす! 竜次とあやめは突風に吹かれたようにすっ飛び、フロアの内壁手前で受けた薙ぎ払いの勢いを殺し、かろうじて受け身を取ることができた。


(強い! これまで戦ったどんな敵よりも!!)


 異常な強さを持つ謎の武将は、あやめではなく、竜次に強く興味を示しており、ゆっくりと歩いて大きく開いた竜次との間合いを詰めようとしている。敵との圧倒的な力の差に強い焦燥感を覚えつつも、あやめは呼吸を整え、無限の青袋から次々と苦無を取り出すと、正確無比な遠距離攻撃を謎の武将に実行した!


(…………)


 背後から襲いかかる鋭い苦無の投擲をどうやって察知したのか、謎の武将は後ろを瞬間的に振り返り、ドウジギリと籠手の重厚さで、あやめが投げつけてきた苦無を全て叩き落とした! だが、後ろを向いて数秒間に渡る遠距離攻撃を防ぎ続けた謎の武将に、この戦いにおいて最大の隙が生じる!


「今しかねえ!!」


 ここを逃せば勝機は無い。竜次はドウジギリと共に、あらん限りの瞬発力で謎の武将に突貫した!

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