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鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第4章 縁の国・平定編(後編)
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第127話 バックアップ

 竜次とあやめを取り囲むように出現した鬼たちの内訳は、ブラックオーガ2体、イエローオーガ2体、ブルーオーガ1体である。並の者ならこれらのオーガたちに立ち向かっても捻り潰されるだけだが、竜次とあやめは、それぞれドウジギリとコギツネマルという非常に強力な刀を扱える縁の国の将だ。


「勝てねえことはないが、あのイエローオーガは毒霧を吐くんだったな? 先手を取って斬りかかったとしても、どうなるか分かんねえな」

「十分気をつけてください。危なくなったら私がすぐサポートします」

「よし、分かった! 俺がまず行こう!」


 あやめも既にコギツネマルの柄のボタンを押し、甲種甲冑装備を身に着け、いつでも戦える態勢を取っている。若年ながら手練であるくノ一のバックアップを信じ、竜次は素晴らしい瞬発力で、イエローオーガの一体を逆袈裟に斬りつけた!


「ウガアアァァァッッ!?」


 竜次のドウジギリは正確にイエローオーガの半身を斬り飛ばし、一瞬だけ凄まじい断末魔の叫びを上げたと思うと、黄鬼は巨躯を洞窟の固い地面へ、鈍く大きな音を立てて落とし、事切れた! それを見ていたもう一体のイエローオーガは、命の危険を感じ瞬間的に知恵が回ったのか、竜次に向けて毒霧を勢いよく吐き出す!


「やべえ! うっ!? ゴホゴホ!」


 最初から嫌な予感はしていたが、竜次は毒霧を吸い込んでしまった! このままではまともに刀を振れず、万事休すである。しかしそれは一人の場合の話で、冷静に状況を見て動く心強い美少女が、()(さま)、竜次のピンチを救援する!


「竜次さん!! 目を閉じて!! ハッ!!」


 あやめは無限の青袋からピンポン玉くらいの小さな球を取り出すと、竜次にすぐ目を瞑るよう指示を出し、オーガの群れへ向けてその球を投げつけた! 球は固い地面で炸裂し、次の瞬間、洞窟の今いるフロア一体を覆い尽くすほどの眩しい光が、弾けた球から放たれる!


「ゴホゴホ! なんだ? オーガたちの目がやられてるな! よし、今のうちに……」


 あやめが正確に素早く投げたのは、目眩ましのための小型閃光爆弾であり、くノ一の狙い通りオーガたちは、一体残らず視力を奪われた。竜次はオーガたちが眩しさに右往左往し、視力を取り戻すまでの時間を逃さず、無限の青袋から毒消しを取り出し素早く飲む。即効性がある毒消しは体内をすぐ巡り、竜次の体は毒から解き放たれた!


「よくもやりやがったな!! たたっ斬ってやる!!!」


 竜次は、視力を失いパニックなっているイエローオーガの素首を斬り落とすと、返す刀でブラックオーガの巨躯を、いともたやすく胴斬りに仕留めた!

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