表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼斬り剣士の異世界平定記  作者: チャラン
第3章 縁の国・平定編(中編)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/321

第113話 壊れない絆

「竜次、聞いての通りだ。拙者は連理の都を守っていかねばならぬ。咲夜様のことはお前に任せた。大丈夫か? 守りきれるか?」


 日本からアカツキノタイラに来た後、上司と部下の関係として、ほとんどの行動を守綱と竜次は共にしてきた。それだけにこれからの行動が別になるのが、守綱にとっては心配でならず、竜次の目を真っ直ぐ見て、その心を確かめている。


「大丈夫ですよ、守綱さん。咲夜姫は、俺が必ず守り抜きます。安心してください」

「うむ……よし! なるべくなら自身を定め、迷わぬようにな」

「はい! 守綱さんも、御館様と連理の都をしっかり守ってください!」


 爽やかな男らしい笑顔で、竜次は心強く請け負った。守綱も、頼もしい部下の男振りに笑顔で返す。


(壊れない絆が見えます。美しいものですね)


 お互いをかけがえのない相棒として気遣い合う2人のやり取りから、桔梗はどんな貴重な宝石よりも輝く信頼感をその間に見出し、感動のあまり薄く涙を流していた。


(これなら大丈夫)


 そう見極めを付け、守綱は竜次の肩に置いていた思いやりの右腕を下ろし、静かに所定の席へ戻った。




 論功行賞はその後も続き、守綱が中老に昇格した他、竜次とあやめも昇格となった。2人とも侍大将の役職階級を受領している。


 あやめについて少し説明すると、彼女は忍者としての階級も持っている。現在、中忍である。若年でありながら忍びとして天才的な能力をあやめは持っており、上忍に昇格しようと思えば今すぐにでもなれるのだが、多数の部下の管理をする必要が出てくる。上忍に昇格した場合、それが彼女にとって大きな負担になるらしい。また、戦場などの現場で、我が身を使った仕事をする方が、あやめの性に合っているため、あえて中忍の階級に留まっているようだ。


 結の町で与一と仁王島の件について皆で話し合い、一定の結論を出していたが、咲夜がその一連の話を論功行賞の後、昌幸に報告している。昌幸はそれを聞き驚いたが、与一と皆が導き出した結論の価値を大いに評価し、結の町と連携して仁王島を注視することを確約した。ここにおいて、結ケ原の合戦における戦後処理が全て完了した。


「それでは改めて主命を言う。咲夜、竜次、あやめ、仙、日陰の村に住む晴明の庵に行き、3つ目の銀杯の在り処を聞き、また、晴明が提示するその他の所用を(おこな)って来るように」

『はっ! 承りました!』


 縁の国の大方針が決まり、あやふやだった強大な敵の姿が見え始めた。後手を取られてばかりいたが、先手での反転攻勢へと、ここから繋がっていくのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ