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例のイベントの前に

そして、例の、<問題が発生している本編には直接関係ないイベント>とは、


『ジュゼ=ファートとファリ=ファールの<過去>に飛ばされて、幼い頃の二人の危機を救う』


というものだった。


そのイベントに入る前に、<ジュゼ=ファートの理念を唱えるだけの集団>と化した村を訪れることになる。


が、本当ならば次の街へ向かう定期馬車の御者も心得ているのでその村の近くは速度を上げてとにかく通り過ぎるだけのはずだったのだが、馬が機嫌を損ねてしまって言うことを聞かなくなり、立ち往生して、村の住人達に捉まるという形であった。


ただ、主人公は仮にも<男爵>の爵位を持つ者。そのことがこの後の騒動の原因となるのだが、今はともかく、


「これはこれはお困りですね。馬も疲れているのでしょう」


「馬の滋養強壮によい餌もありますよ」


「ですが、回復には時間も必要ですし、その間、皆さんは村で休まれていかれたらどうでしょう?」


もう、深夜も深夜だというのにどこで見ていたのか何人もの村人が馬車を取り囲み、口々に村へと誘う。


「な、何事ですか……!?」


「なんだこいつらは…!」


寝る必要のないアリシアはともかく、ナニーニとコデットは馬車の中でまどろんでいたところにこれなので、ひどく戸惑っていた。


しかし、なぜかそれまでぐずっていた馬が村人に手綱を引かれると素直に従い、村へと導かれていく。


その異様な雰囲気にナニーニはおろかコデットまで不安そうにしている。


そんな二人に、


「少し変わった人達かもしれませんが、危険はありません。せっかくなので休んでいきましょう。やはりちゃんとベッドで寝た方がいいですからね」


アリシアが落ち着いた口調で語りかける。


彼女の言うとおりだった。この村の住人達の目的は、<ジュゼ=ファートの理念>を広めることであって、ことさら他人を害そうという意図はない。愚かではあるものの、別に<悪人>というわけではないのだ。


こうして、アリシア達三人を含む御者と乗客達は村へと招きいれられてしまった。


が、何をされるのかと不安そうにしていた御者や乗客達は、村人の案内でそれぞれ宿代わりの住人達の家で歓待を受け、温められた山羊の乳とクッキーのような軽食をもらい、一息つくとそのままベッドで横になったのだった。


もちろん、警戒して山羊の乳も軽食も口しなかった者もいたものの、本当にただの<もてなし>に過ぎず、安全なものであったが。


そしてナニーニとコデットも、不安は感じながらも、


「大丈夫ですよ。ほら」


山羊の乳もクッキーも躊躇うことなく口にするアリシアに倣い、それらを平らげてベッドに横になると、すぐに眠ってしまったのである。



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