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好き嫌い

プレイの状況はプレイヤー側の設定次第で外部からも映像として見ることができる。


今回は外部からのサポートも込みのプレイなのでもちろん外部とのリアルタイムのやり取りができてこちらの様子も見られるようにしているから、今の、革の鎧に身を包み腰に剣を下げたアリシアの姿も当然見える。


「よく似あっているよ、アリシアくん」


「はい、ありがとうございます」


宿角(すくすみ)に褒められ、彼女はあくまで<社交辞令>として返した。


『正直、どうもこの人は苦手だな……』


ロボットにも拘らずそんなことを思ってしまう。


なにしろロボットは本来、<好き嫌い>がない。特に人間に対して好き嫌いなど抱かない。けれどアリシアにはそれができてしまう。やはり彼女に<心>があるからなのだろうか。


とは言え、それは口にせず、まずはプレイを続ける。


『ここから、<始まりの村>にいくんですよね』


マップはすでに頭に入っているので躊躇うことなく先に進む。


移動中も飽きさせないようにと、景色なども非常に丁寧に作り込まれていた。


ただ、道端の草や花は豊かなのに、どうにも違和感がある。


小鳥は飛んでいるのに、<虫>がまったくいないのだ。


これは、<虫>を嫌うユーザーが多いということで敢えて再現されていないということだった。


アリシアは<ゴキブリ>は苦手なものの、それ以外の昆虫については、興味まではそれほどないものの毛嫌いしているほどではない。


加えて、主人である千堂の邸宅は周囲を森に囲まれた自然豊かな環境にあるため、当然、虫も豊富にいる。


だから、虫が全くいないということに違和感を覚えてしまうのだろう。


とは言え、娯楽としての<VRアトラクション>で不快な虫を目にしたいと考えるユーザーはむしろ少数派なので、<商売>として考えれば多数派の意見が取り上げられるのも当然か。


それに対して、


『リアルじゃない!!』


と意見を述べる者がいても、少数派である限りは切り捨てられる。


『顧客の意見に耳を傾けないのはおかしい!』


などといくら言い張っても、商売上のメリットが見込めなければ採用はされない。


『自分の意見こそが正道である』


そんな幻想は捨てた方が身のためだと思われる。


『VRアトラクションの中でまで虫とか見たくない!』


という意見の方が多いのは事実なのだ。


この<ORE-TUEEE!>ではないものの、かつて、虫までリアルに再現したVRアトラクションの初期バージョンをテストプレイしてもらった際、


『虫がいる!!』


としてその場で中断してしまったテスターが多かったということもあったのだった。



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