表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/107

別のシナリオ

こうして正式にコデットの身元引受人となったアリシアは、彼女とナニーニを伴って宿屋へと向かった。そこは食堂も兼ねた、と言うか、<宿屋を兼ねた食堂>という形の施設だった。


なので、食堂の方でまずは夕食にする。


「何でも好きなものを頼んでいいですよ」


アリシアが言うと、コデットは、


「ホントに何でもいいんだな!?」


念を押してくる。


「はい、何でも構いません」


アリシアが返した途端に、


「じゃあ、この店で一番高いのから順番に持ってこい!」


給仕の女性に命じた。


「アリシア様……! いいんですか? こんな……!」


ナニーニは慌てるが、アリシアは笑顔で、


「資金は十分にあります。問題ありません」


と応えた。


「でも、だからって……」


ナニーニは、凡庸かつ真面目にそれまでの人生を送ってきただけに、子供とはいえ<盗賊の一味>がこうして大きな態度を取っていることが許せなかった。


アリシアはナニーニがそのように考えていることは察している。現実の世界でもよく聞かれる意見であるがゆえに。


けれど、メイトギアであり人間に関する様々なデータに簡単に触れることができるアリシアには、苛烈な環境に育った子供が<普通>に生きられる事例には相応の理由があることが理解できてしまう。


よく、


『虐待された子供が全員、犯罪者になるわけじゃない』


的なことが言われるが、それが回避されるだけの要因が、<犯罪に走らなかった事例>にはあるというだけなのが実情である。逆なのだ。


ゆえに、<回避される要因>がない環境であれば、それこそ犯罪集団の中などで育てば、<他の生き方>などそもそも選べない。


それで子供に<責任>を問うのは、あまりにアンフェアではないか?


だからこそ、しっかりした身元引受人がおり、更生を約束すれば刑の執行が猶予されるのである。


とは言え、更生が果たせず再び罪を犯す者が少なからずいることもまた事実。


その一方、実は、コデットについては、<育児シミュレーション>要素も盛り込まれている。物語の本筋には直接関係ないものの、信頼度のパラメータが高ければ高いほど彼女の基本ステータスも高くなり、ある水準を超えると<盗賊(シーフ)>から<探索者(シーカー)>へとジョブチェンジ。戦闘力が三倍となり、彼女をメインに据えた、本編とは別のシナリオが解放されるという仕様になっている。


もっとも、<ある条件をクリアすると解放される別シナリオ>についてはパーティメンバー全員に用意されており、コデットに限ったことではないが。


それは当然、ナニーニも同じ。ちなみに彼女の場合は、雑魚敵を五十体倒した上で中ボスのとどめを彼女で行うと、専用シナリオが解放される。


ただ残念ながらコデットのシナリオのプレイ率が三十パーセントを超えているのに対し、ナニーニは自身の人気のなさが影響してか、十五パーセント以下にとどまっているという……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ