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妖かしの使い方  作者: 総督琉
革命
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第49話 全員集合(前編)、

クロウの前に姿を現したのは、闇本警備会社、否、来巣警備会社とあいて新しく生まれ変わった警備会社の社員たち。

クロウは彼らの登場は予想外だったのか、驚いていた。


「なぜお前らが……」


来巣は刀をクロウへと向けた。


「あなたはここで討たせていただく。あなたは終わりです」

来巣は倒れるクロウへと刀を突き刺す。

しかしその一撃を火蝶は受け止めた。たちまち火蝶は灰となり、消えていく。


「あなた方の目的は何だ?ここまでしてまで成し遂げたいことなのですか」

来巣は戸惑いを見せる。


「当たり前だ。こうまでしないと世界は変わらない。俺は世界を変えなくちゃいけない。だから、妥協はしていられない」

クロウは凍てついた体でも尚立ち上がった。

脇腹からは血が出ており、氷によって体温も低下し、動くことだけで精一杯だろう。しかし、クロウはその羽を止めるわけにはいかなかった。


「成さねばならない……これは、成し遂げなくてはいけないことなんだ……」


「ならば私は、あなたを斬る」


来巣は再びクロウへと刃を振るう。だが激しい金属音が響き渡る。それとともに来巣の刀は防がれた。


「白鳥会長の娘さんか」

来巣の刀は白鳥美伊紗の握る漆黒の剣によって防がれていた。


「その剣、黒天剣(ヤタガラス)か。噂通り、人の心を奪うのですね。恐ろしい」

来巣はその剣の特性を知っているらしく、明らかな敵対意思を見せている美伊紗へむやみやたらに襲いかかることはできない。

むしろ剣に支配されているせいで戦いづらい。


「これがあなたのやり方ですか。クロウ」


「お前ら、邪魔をするものは徹底的に排除せよ」

クロウは叫ぶ。


妖かしたちはクロウの指示通り、来巣警備会社社員たちへと襲いかかる。

戦いは激化の一途を辿り、妖かしと人間とが互いを殺し合っている。それはまさに地獄絵図。

それでも戦いは終わることはない。


「クロウ。貴様あぁぁぁぁぁああ」

来巣は一刀を手にクロウへと襲いかかる。


「まだだ」

クロウは力を振り絞り、鋭い爪を振るって刀を弾く。


「まだ力が残っているか」


「まだ、野望のために」


クロウと来巣はぶつかり合う。

刀と爪が交わり、激しい威圧が周囲へ放たれた。

真っ向からクロウと来巣がぶつかり合う中、一発の銃声が響く。その銃声とともに、クロウの心臓は一発の銃弾に貫かれた。


妖かしも、来巣たちも、騒然とする。

クロウは血を流し、横たわる。

クロウは薄れゆく意識の中で銃声がなった方へ視線を向けると、木の枝に立ち、拳銃を構える仮面をつけた女性が見える。


「お前は……」


黒猟犬(ブラックハウンド)。十分だ」

女性が握る拳銃は黒い霧を纏い、狼のような姿へと戻った。


彼女は木の上から降り、妖かしと妖かし語りが混在する戦場を静観する。


「ねえ白夜ちゃん、彼女、何でクロウくんを躊躇いなく撃てたんだろうね」

今々は白夜の耳元で囁く。


「そんなの答えは一つ。クロウが指名手配だったからだ」


「でもクロウくんは人間と妖かしの混血、つまりは妖華だよ。でも見た目は百パーセント人間だよ。撃つ際は無意識にも躊躇するはずなのに、彼女からはそれを感じられなかった。ってことはさ、彼女は人間だと思う?それとも人間の皮を被った、」


今々がその次の言葉を言おうとした時、彼女は黒い霧を纏って今々へ蹴りを進める。しかし白夜はそれを瞬時に感じ取り、刀で彼女の足を斬り飛ばす。


「赤い血、やはり人間か……」

切り口からは確かに赤い血が吹き出る。


だがそれに気を取られ、彼女の放つ拳の一撃に気づかず直撃。白夜は腹を押さえながら後退する。だがすぐに違和感に気づいた。

腹に何やら不思議な痛みが走っている。腹を見てみると、漆黒色に染まっている。


「何だこれは……」


白夜はそれに危機感を覚え、さらに距離を取ろうと彼女の顔へ刀を振るう。見事顔に命中し、彼女がつけている仮面は砕けた。それとともに彼女の素顔が晒された。


その顔を見て、戦いを陰から観察していた無邪気祓現は驚きを身に纏った。

仮面をつけていた彼女の正体、それは……


「なぜここに……。呪われし者、七海才花」

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