ポンコツ
拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。
ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
***今回、ナヨ君はヤンキー映画にどハマり中***
グゴゴゴゴゴゴーー... 『何やってんの?じゃねーよ、このクソビッチがぁ。 ちょっと顔貸せやぁ。(キラーーンッ)』
「ヒィッ!!」
そのままナヨ君に部屋まで連行された私は、現在ナヨ君に、、
ーー ドンッ!! ーー 壁ドンならぬ、足ドンをされています。
『で?』
「ゴクッ、、で?、と言いますと?」
『すっとぼけてんじゃんねーーぞ! このスットコどっこい!!』
「スットコどっこいって、さっきからナヨ君酷い!!」
『は?? 先輩という彼氏がいながら他の男と抱き合って、キスまでしておいて、な~~にが酷いだよ! 四の五の言わずにさっさと吐きやがれ!! 浮気者!!』
「う、浮気って! 違うよ!! 浮気とかじゃなくって、これには深いわけが、、」
『へぇ、、深い訳ね。 分かった。 時間はた~~っぷりとある、じっくり聞いてやろうじゃないか。(キラーーンッ)』
「ヒィッ!!」
私は今日のことを洗いざらい白状し、ナヨ君にシメられ..お説教されることになった。
『ほうほうほう、なるほど。 今の話をざっと纏めると、登山の途中で急にブライアンにときめいてしまい、訳が分からなくなった状態で友達だと思っていたブライアンに告白されて、動揺した上に不意を突かれキスをされたと言うことだね?』
「ま、まぁそんな感じ、、。」
『(プチッ)』
プチッ? 「な、ナヨ君?」
『こんの、、ばっきゃぁろーーがッッ!!!』
「ええ?!!」
『何やってんの? ねぇ、何やってんの? 僕、あれほど言ったよね? 自分の行動に自覚持てって。 ブライアンはモモちゃんの事、異性として見てるって。それってさ、裏を返せばブライアンはモモちゃんのことを好きかもって何で思わないわけ? そりゃ、真面な男なら好きな女の子には誰よりも優しくするし、喜んでもらおうと必死に相手の為に頑張っちゃうよね。それにまんまと引っ掛かって、ときめいてキスする隙まで見せちゃうって、、このアホ! クズ! おたんこナス! ハゲちゃびん!! もうモモちゃんのポンコツさには呆れて何も言えないわ!!』
嫌、めっちゃ言ってるやん。 しかも、これでもかっていうくらいズタボロに!!
「だ、だって、モテモテで女の子を選び放題のブライアンがわざわざ彼氏持ちの女を好きになるなんて思わないじゃん!」
『は?? マジでバカじゃないの、モモちゃん。 好きになったらどんなに美人の女の子が現れたって、そんなのその時だけの鑑賞対象でしかないんだよ。他の女の子なんて只のモブでしかない。心が動かされて、心から何かしてあげたいって思えるのはたった一人。 好きになった子だけ!!』
「ーーッ!!」
『モモちゃん、自分の事として考えてみて。 ブライアンは別として、モモちゃんは、先輩がほかの人と付き合ってたとして、イケメン達が自分に寄ってきたら、先輩の事を好きな気持ちが無くなるの? 大好きな先輩を差し置いて他の男を幸せにしたいと思う?』
私は今回ブライアンに不覚にもときめいてしまったが、先輩を好きな気持ちがなくなるなんて考えられない。 一番に先輩の幸せを願ってしまう。
「、、思わない。」
『でしょ! ブライアンもそれと同じ。 ブライアンが、何人もの女の子を同時に好きになれる軽い男だったら違ってたかも知れない。 でも、ブライアンはそんな奴じゃないでしょ? モモちゃんを好きになってしまったブライアンは、ただモモちゃんだけを思い続けて自分に振り向いてくれるのを待つしか出来ないんだよ。』
ブライアンは4年もの間、私の事を好きでいた。 学園に入学するまでの長い間、私に会うことが出来ずに、どれだけ寂しい思いをしたんだろう。
先輩と会うことが出来ない私の寂しさや不安な気持ち何て、きっと比べ物にならない。私はブライアンに何が出来るんだろうか。
「・・・・・・。」
『...あのさ、もしかしてブライアンに何かしてあげたいとかって思ってる?』
「え?! な、何で?!」
『...ハァァ~~ッ。 言っておくけど、中途半端な思いやりは必要ないよ。そんなの先輩にもブライアンにも失礼だから!』
「中途半端じゃないよ!私は自分の出来る事なら何でも、」
『何でも? じゃあさ、先輩と別れてブライアンと付き合うの?』
先輩と別れる? 考えたこともない事だ。
「それは、、、」
『先輩とブライアン、どちらも幸せにしたいなんて無理だよ。 恋愛感情が絡んでる以上、気持ちが満たされるのは思いを寄せる相手の気持ちが100%自分に向いた時だけだから。中途半端な愛情は相手を苦しめる。モモちゃんが本当に2人の事が大事なら、どちらか一方を切りすてな。モモちゃんが出来ることは、一方をちゃんと解放してあげて次の幸せに向かわせてあげる事だけだから。じゃないと、何時までたってもモモちゃんへの思いに囚われて次に進めないよ。』
ナヨ君の言ってることはごもっともだ。ぐうの音も出ない。
「前から思ってたけど、ナヨ君ってさ、何でそんなに恋愛事に詳しいの? 1度も彼女いたこと無いのに、まるで恋愛マスターみたい。」
『フッ、僕は日々映画とドラマで人間関係を研究してるからね。今日から僕を師匠と呼びたまえ。』
「フフッ、ホントにナヨ君は私の師匠だよ。ナヨ君の彼女になる人は幸せだね!きっと、すっごく優しくしてくれて、頼りになって、自慢の彼氏になるんだろうな♡(にはっ)」
『バ、バッキャァロー!! そ、そういうとこだぞ!! モモちゃんの悪いところは!! 少しは自制しろってんだ!! フーッフーッ..』
「へ? 何で怒るのさ、私はナヨ君を誉めてるのに! ブーブーっ..」
『と、兎に角、モモちゃんはちゃんと先輩とブライアン、どちらを選ぶのかよく考えてちゃんとケジメをつけなさい!! じゃあ、僕はもう帰るから!!』 バンッ!! ぴゅーーーっ!!
ナヨ君は言うことだけ言いきり、脱兎のごとく帰っていった。
「はぁ~~ッ..疲れた~~...」 ボフッ!!
肉体的にも精神的にも疲れはて、ベットに倒れこむ。
ナヨ君に散々に言われ、如何に自分が浅はかで考えが足りていなかったのか思い知らされた。
私は先輩がいながらブライアンにときめいてしまった。 それはいくらよこしまな考えからではなかったとしても、先輩にとって裏切り以外の何者でもない。
先輩に会えなくても、声が聞けなくても、先輩が好きな気持ちが変わることはない。 先輩は私にとって大切な人。
じゃあ、ブライアンは? ブライアンは私にとって何?
《 モモ、君が僕の光だよ。 》
ブライアンは私を自分の《光》だと言った。 会えない間もずっと私が心の中にいたと。 私に会えたのは運命だったと。
トクン、、トクン、、、 私の光は、運命は。
ブライアンにときめいてしまった理由なんて分からない。
今後、どうやってブライアンに接して行けばいいかも正直今は分からない。
トクン、、トクン、、、 ただ、これだけは分かる。
何時も私の心の中心に居るのは。
《 俺もモモと一緒に居れることが幸せだよ。 モモが居れば何にでも立ち向かえる。 》
《 2人で居よう。 どんなことがあっても、2人で居ればなんとかなるよ。 》
《 俺にはモモ以外、考えられないから。 俺はこの先もずっとモモの側に居るって決めてるよ。 》
ーーーーー 何時だって、先輩だ。 ーーーーー
お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。




