再会
拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。
ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
ドッドッドッドッドッドッ....
トラクターが私達の方に近付いてくる。
ドッドッ.....ブルン.....ガチャ....バンッ!
『珀ーー!! 急にどうしたのよ!! あなたは何時も急なんだからぁ。ビックリするじゃないの!』
『フフッ、、ばあちゃんを驚かせるのが俺の楽しみなんだよ!』
『全くもぅ、何時までたっても子供ねぇ。 あら? そちらは、、見覚えのある子ねぇ。』
「こんにちは! お久しぶりです。 前に1度先輩とカフェにお邪魔させて頂いた、広瀬モモです!」
『あら! あの時の可愛い子ね! 本当に久しぶりね~~! お元気にしてた?』
「はい! 元気でした! お婆様もお元気でしたか?」
フフッ♡ 嬉しい! 覚えてて下さった!!
『ええ、私も元気にしてたわ。 あら? まぁ!あなたたちもしかして!!』
お婆様が私と先輩の繋いだ手を見て驚いている。
あ、そうだ! 先輩と手を繋いだままだった!! どう説明しようかと先輩を見る。
『ばあちゃん! 俺達、今付き合ってるんだ!』 ニコニコ♡
何ともシンプルな説明! そして清々しいほどの笑顔!
まぁ、シンプルなほど伝わりやすいけどさぁ、一応先輩のお家の事もあるし、反対されるとか思わないのかねぇ。
『ホンマか!! やったやないか~~、珀♡♡!! こんな可愛い彼女を手にいれるなんて、あんた出かしたでェ~ホンマ! Good jobや、珀!!』
なぬ?! 関西弁?!! しかも、めっさ喜んでるやん!!
『ばあちゃん! また関西弁出てるよ!』
『あら、ごめんなさい。 私ったらつい興奮しちゃったわ♪』テヘッ
『モモ、驚いたろ? ばあちゃん、生まれが関西で、極度に興奮したら急に関西弁が出るんだ。』
キャラ濃!! 何それ?! そんな設定必要??
「そ、そうなんですね。 確かに驚きましたが、私達の事を喜んで下さって嬉しいです。 ありがとうございます!」
お婆様の関西弁問題は置いといて、先輩のご家族であるお婆様に歓迎される事が本当に嬉しい。以前も歓迎して頂きとても優しい方だと知っていたが、身内の彼女となると話は別だ。それが反対されるどころか、こんなに喜んでもらえるとは思ってなかった。
『フフッ♡ 喜ぶの当たり前じゃない。 珀が初めて連れてきてくれた彼女が、素敵なお嬢さんだと思ってた子なのよ。 私の方が御礼を言いたいくらいだわ♡ モモちゃん、珀を選んでくれて本当にありがとう。』
「いえ、御礼なんて、、。」
御礼まで言われるとは、恐縮です!!
『モモ、ばあちゃんに渡すものあるんだろ。』
「あ、そうでした! お婆様、私達今日潮干狩りに行ってきたんです。 それで、これアサリなんですけど良かったら召し上がって下さい。」
お婆様にここまで大事に運んでいたクーラーボックスを差し出す。
『まぁ! 折角採ったアサリを私が頂いても良いの? ありがとう!』
『ばあちゃん! それ、モモがここまでずっと1人で運んだんだ。 その方が愛情を込められるからって。』
「先輩! そんなこと言わなくて良いですよ! 何か念を籠めてるようで怖いじゃないですか!」
まずい、、怖い奴だと思われたんじゃないだろうか。
も~~、先輩ったら余計なこと言って! 後で抗議しないと!
『フフッ♡ 怖いなんて思わないわ。モモちゃんは素敵な考え方が出来る子なのね。 私、そういう考え方好きよ! 珀もきっとモモちゃんの考え方が素敵だと思ったから教えてくれたのね! モモちゃん、改めて御礼を言わせてもらうわ。 ありがとう。』
トクン.. トクン...
気持ちが暖かくなる。 以前も感じたが、お婆様は本当に先輩に似ている。 私のやったことなんてただの自己満足で、考え方によっては恐怖でしかない。 それを素敵だと言ってくれるお二人の方が、素敵だ。
『そうだわ! あなた達、夕飯を食べて行きなさい! 私、このアサリを使ってボンゴレスパゲッティーを作るわ♪』
「わぁ♡ じゃあ、私もお手伝いします!」
『ええ、お願いね! 孫の彼女とキッチンに立てるなんて幸せだわ! あ、でも珀、あなた大丈夫なの?』
そうだった。私の家は電話すれば大丈夫だと思うが、先輩はそうは行かないだろう。
『大丈夫だよ。 何時も夜は一人で食べてるから家政婦さんに電話しておけばなんとかなる。』
『そぅ、、今もまだ1人で過ごすことが多いのね。』
今もって言うことは、もしかしてずっと先輩は1人でご飯を食べているんだろうか。 世界的な大企業の2トップだと子供と一緒にご飯を食べる時間もないってこと? それに先輩の何時もという言葉が気になる。 先輩は一体何時から一人でご飯を食べ、どれくらいの時間を一人で過ごしているんだろう。
『さぁ! そうとなれば、あなた達! 畑仕事も手伝ってちょうだい!!』
『え?! 何で?? 折角、モモと2人でばあちゃんに会いに来たのに、畑仕事してたら全然話せないじゃん! モモだって、疲れちゃうだろ!』
「私、やりたいです!! 家庭菜園とか憧れてるので色々教えて下さい!!」
『モモ!!』
『フフッ♪ モモちゃんもこう言ってるわ! 諦めなさい、珀!』
『う゛~~っ、、分かったよ!!』
やった~~!! 野菜作りまで経験させて頂けるなんて、嬉しすぎる~~♪
「先輩!! 見てください! このアスパラガス、めちゃくちゃ立派ですよ!!」
お婆様の畑は春ということもあり、此から植えるものと、収穫されるものがしっかり分けられてあり、私と先輩は今が旬のアスパラガスの収穫を手伝うことになった。
『モモ、さっきからそればっかじゃん! 1本づつに感想言ってたら終わらないだろ!』
「だって~~、こんなに立派なアスパラガスなんてスーパーで見たことありませんよ! 見てくださいよこのみずみずしさ! 何か、このまま生でも食べられそうな気がする、、、ジュル。」
『お前はも~~、、』
お婆様の育てている野菜達は何れもみんな、イキイキとしていて太陽の光と大地の恵みがたっくさん詰まっているようでとっても美味しそうだ。
こんなに美味しそうな野菜達を1人で作ってるなんて、お婆様凄すぎる!
『大丈夫よ! 1本食べてごらんなさい!』
「え?! 大丈夫なんですか??」
『アスパラガスって生で食べれるのか??』
『ええ、食べれるわ! ただし、鮮度の良いものじゃないとダメよ。 今採ったものなら問題ないわ。』
『「へ~~、知らなかった~~。 」 あっ』
先輩と言葉が被る。
「プッ! 何ですか先輩のその顔! まるで初めての社会見学に感動している子供みたいですよ! もう、可愛いんだからぁ。」
『し、仕方ないだろ!! 俺だって今日初めて畑仕事を手伝ってるだから! 後、可愛いって言うな! お前、絶対俺の反応見て楽しんでるだろ!』
「いやぁ~、そんなことある分けないじゃないですか~。 先輩の可愛い姿なんてこんな時じゃないと中々見れないから、思う存分見てやろうなんて全然思ってませんよ~。」
『おまっ!! 思ってんじゃねーかよ!』
『フフフッ♡ 本当にあなた達、仲が良いのね。 珀が、私と亡くなった夫以外にここまで心を許している姿を見るのは初めてよ。 珀の側にモモちゃんが居てくれると思うと安心ね。』
おっと、お婆様の前なのについイジリすぎてしまった。 私の知らない先輩を知る絶好の機会ではあるが、自粛せねば。
『珀、モモちゃんの事、絶対に大切にするのよ。 何があっても決して、自分から離れたらダメ。 ちゃんと向き合って、2人で乗り越えなさい。しがらみの事なんて考えずに、2人にとって一番良い方法を選びなさい。 そうすれば、きっと全てうまく行くわ。』
『うん。 分かってる。 俺にはモモ以外、考えられないから。 俺はこの先もずっとモモの側に居るって決めてるよ。』
うぉい! なんすかこれ?! もはやこれは、プ、プ、プロポーズではないですか?! うほっ♡ まずい、嬉しくて鼻血でそ♡♡
その後、お婆様と一緒にボンゴレスパゲッティーと野菜サラダを作って、3人仲良くアサリさんと、お婆様の新鮮な野菜を頂いた。
そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
「それでは、お婆様。 今日は楽しい時間をありがとうございました。」
『此方こそ、とっても楽しい時間だったわ。 モモちゃん、是非また遊びに来てちょうだいね!』
「はい!ありがとうございます!」
『じゃあな、ばあちゃん。』
ブオォォォォォォーーー......
お! お客さんかな?
「お婆様、お客様が来たみたいですね!」
お婆様の方を見ると、お婆様の様子がおかしい。目を見開き静止している。
理由が分からず先輩の方を見る。
『何で、、、』
先輩も同じく衝撃を受けたように動かず、今まで見たことがないほど険しい表情をしている。
キィ...バタンッ!!
『モモ、、カフェに戻って。』
「え? 何で、」
『良いから早く!』
もう、何なのよ。 渋々、カフェに戻ろうとすると後ろから声が聞こえた。
『 こんばんわ、お義母様。 お久しぶりです。 』
お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。
参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。




