団扇チョップ
拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。
ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
ニュルニュル...ヌチャヌチャ...
指と指が絡まり合う感触が、全身を駆け巡る、、。
チュパ..チュッ..♡ ムチュッ..チュッ..♡
絡み合う舌と舌の音が、脳を溶かしていく、、。
...キャーーーーーーーーーーーッッ!!!!
ちょ、待っ!! 待って!! ここ、外!! それに、ディープなキスってこんなに破壊力抜群だったっけ?! 前世で経験したのと全然違う!!
...もうダメ....トロけそ....♡
『キャハハ!そんでさぁーー...』
遠くから誰かが近づいてくる声が聞こえてくる。
ーーーチュパッ、、♡
『お仕置き、、完了。』 コツッ♡
トロけるようなキスの後で、トドメのおデコ♡コツッ、、、もう、感服です、、、フニャ♡
『さっ、手の泡を流して!』
「ーーひゃ、ひゃい♡」
『ーーキャハハ! あれーっ、手洗い場空いてないわ~』
『ほんとだ~~、どうする~~?』
どうやら先程の声の主と思われる人たちが、手洗い場に着いたようだ。
『俺達、もう使い終わるので次どうぞ。』
『え! ありがとう♡』
『行くよ、モモ。』
『ーーふぁい♡』 ぎゅっ...
足腰がおぼつかない私を先輩が手を引いて連れて行ってくれる。
『ちょっと、今の子めっちゃカッコ良くなかった~~?』
『ホントに~~、彼女羨ましい~~ッ♪』
はい。 分かってます。 自慢の彼氏です。
眉目秀麗でお人柄も良く、誰もが羨む大企業のご子息。 それにエロ♡テクニックまで加わったら、この方はもう向かうところ敵なしなのではないでしょうか。
フワフワ...♡ フワフワフワ...♡...♡
『モモ、この後だけどさ、キリの良いところで2人で抜け出さないか?』
「(ハッ) え、抜け出す? 何処か行きたいところでもあるんですか?」
『折角の自由な時間だからさ、ばあちゃんのカフェに行きたいなと思って。』
「お婆様のカフェ?! 行きたいです!!」
先輩のお婆様のカフェには中等部1年の時に1度行ったきりだ。 素敵なカフェだったから自分でももう一度行きたかった。 でも、あれから直ぐに先輩とお付き合いすることになり、彼氏のお婆様と考えると一人では行くことが出来なかった。
でも、2人で抜けたりして良いんだろうか。寧ちゃんの彼氏探しも気になるし、バーベキューの後片付けとかその他諸々あるけど、、。
「先輩、私もお婆様の所に行きたいですけど、途中で抜けたりしたら皆に悪くないですかねぇ。」
『俺から皆に言うよ。 休日は何時もモモに会えるわけじゃないし、今日はもう少しモモと2人でいたい。』
オッフ♡ ちょ、やっと体の火照りが収まってきたのに、それは反則っすよ先輩。
「ーーひゃい♡」
ガヤガヤーー...
『お! 珀、お帰り~。お前、さっきはビックリしたぞ!もう落ち着いたか?』
皆の所に戻ると安倍さんが早速話しかけてきた。
『ああ、変な空気にしちゃって悪かったな。 ブライアンも、変な態度取っちゃってごめん。 腕、痛くないか?』
『、、、大丈夫です。気にしないで下さい。』
ホッ、、良かった。ブライアンも落ち着いている。 まだ、わだかまりはあるかもしれないけど、このまま行けば2人のギクシャクした関係もなんとか収まりそうだ。
『モモちゃん、ちょっと。』 グイッ、ズルズル...
ナヨ君が私を皆から少しはなれた場所に連れていく。
「も~~、何なのよ! 皆に変に思われるでしょ!」
キラーーンッ... え? 何?
スッパーーーンッ!! 「痛っ!! 酷い!! 私、親にもぶたれたことないのに!」
『これくらい痛くないでしょ、団扇なんだから! 本当だったら拳骨したいくらいだよ!!』
嫌、地味に痛いっすよ。だってあなた今、団扇を縦にしてぶちましたよね?そこ、団扇の骨部分ですからね。麗しの女子に団扇チョップしますか普通。
「ナヨ君、何怒ってるのさ! 意味分かんないんだけど。 あ~、あれか。肉焼かせたのを怒ってんのか? ちっせえ奴だな。そんなんじゃ女子にモテないぞ!」
『違うよ!! このボケナスが!! 先輩とブライアンの事だよ!!』
ん? 先輩とブライアン??
「何で先輩とブライアンが私が叩かれたことと関係あんのさ?」
『ちょっと~本当にニブチンだね、モモちゃんは。 何で先輩とブライアンが喧嘩したのか分からないの?!』
「な、何よ! ナヨ君には分かるって言うの?」
『誰でも分かるわ、ボケェ~! 彼女が目の前で他の男と「あ~ん♡」「パクッ、おいち~♡」「もう、こんなことにご飯粒つけて~♡」「キャ♡」ってやってたらどんな彼氏でも怒るでしょ!』
「なっ! ちょっと! 確かにブライアンに食べさせて貰ったことは認めるけど、ブライアンは友達でやましいことなんてないし、半分はナヨ君の妄想じゃない! 私、『キャ♡』なんて言ってないもん!」
『もん♡じゃないよ! 友達だとかそんな事関係ないの!異性の間に真の友情なんて存在しないんだよ! そこんとこ、よく考えて行動してよね!』
「何よ、それ、、。そんなこと言ったら、私とナヨ君の間にも友情はないってこと?!」
『僕は慈愛の域に達してるから別! モモちゃんは僕の子供みたいなもんだからね。でも、ブライアンは違うよ。ブライアンはモモちゃんを異性として見てるから。 分かった?』
ナヨ君の言いたいことも分かるけど、何処までが友情で何処までが恋愛なのかなんて分からないじゃない。そんな憶測でブライアンとの大切な友情に傷をつけたくなんかないよ。 そして、さらっと言ったけど私がナヨ君の子供ってどういう事だよ!
「う゛~~、確かに食べさせてもらったのはやりすぎたと思ってるけどさぁ、何か腑に落ちない。」
『腑に落ちなくてもそういうことなんだよ!モモちゃんは無駄に人を引き付けるからね、ちゃんと自覚して行動しなさい! 僕の言いたいことはそれだけ! 分かったなら皆の所に戻るよ!』
『クッ、、分かったよ。』
腑に落ちないが、余り長いこと皆を待たせると不審がられる。言い返したい気持ちを我慢してナヨ君と皆の所に戻ることにした。
そして、着くやいなや、、
『先輩、モモちゃんには僕から異性との付き合いについてちゃんと話しておきましたから安心してください。本当に手のかかる子ですいませんねぇ。』
何目線だよ、お前! 勝ち誇ったような顔すな!!
『え? 何の事だか良くわからないけど、、ありがとう。、、なのか?』
『フッ、、お礼なんて良いっすよ、先輩と僕との仲じゃないっすか。』
『まぁでも、余りモモを苛めないでくれよ。』
『良んっすよ。たまに釘さしとかないと直ぐ調子にのる子ですからモモちゃんは。先輩も言うときは言わなきゃダメですよ!』
『ハハッ、分かった。覚えとく。』
前から思ってたけど、、この2人、仲よッ!! 何なのその主従関係?! 何時から? ねぇ、何時からなの?? .....モンモン。
『モモ。』 ん?
『皆に先に帰るって話しておいた。 ナヨも今良いって言ってくれたからもう少ししたら行こう。』
「え! いつの間に!」
まぁ、何はともあれ、私と先輩は皆のご厚意に甘えて途中で抜けさせてもらうことが決まったようだ。
「後片付けとかあるのに本当にごめんね、寧ちゃん。この埋め合わせは今度絶対するからね!」
『埋め合せなんていいよ。休日に余り会えないんだから2人で楽しんで。』
「ありがと~~、寧ちゃん!」
他の皆にもちゃんとお詫びをして準備は万端だ。先輩も友達に声をかける。
『それじゃあ、俺達もう行くよ。悪いな、安倍、清水。 後、宜しく!』
『おーー。俺達は俺達で楽しむから気にするな!』
『そうだぞ、モモちゃんに日頃の疲れを癒してもらえ~~!』
あれ? 南さんが見当たらない。
「先輩、南さんが居ないようですが良いんですか?」
『あぁ、どうせまた勝手な行動でも取ってるんだろ。あいつのことは気にしなくていいよ。』
「分かりました、、」
先輩が良いなら私がどうこう言う必要はない。 先輩には悪いけど、私は南さんとは友達になれないと思う。
『行こう、モモ。』
「は、はい!」
それでは、気を新たに。 先輩のお婆様に会いに行きましょう!
お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。
参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。




