楽しいGW♡
拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。
ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
『ねぇ、モモさん。 今年もかいかい海岸でアサリが大量発生しているらしいよ。』
題して、「東大寺先生、モモちゃんを振り回す!」の巻き! が落ち着き、やっと平穏な高校生活を送ることが出来るようになったある日、寧ちゃんが何とも魅力的な情報を仕入れてきた。
「何ですと?! 私の大好物のアサリさんが大量発生?!」
『うん。ゴールデンウィークにまた無料開放するんだって。行く?』
「行く~~ッ!!どうせならさ、他にも声を掛けて皆でアサリパーティーしようよ!」
『いいね。私、バーベキューセット用意するよ。 そうだ、モモさん。東大寺先輩誘ったら?』
「え! いいの?! 先輩と寧ちゃん余り話したことないいでしょ? 緊張しない?」
『全然しない。寧ろ誰か良い人紹介して欲しいから東大寺先輩の友達にも声かけてもらって。』
寧ちゃんは中等部卒業直前にある諸事情でウィンナ君と別れてしまい、今はフリーなのだ。
「うん!聞いてみる! じゃあ、部活のないゴールデンウィーク最初の日曜日で良い?」
『いいよ。』
やったーーッ! 先輩の予定が空いてるかは分からないけど、ゴールデンウィークに先輩と会う約束が増えるのは嬉しい♡ 早速、部活帰りに誘ってみよっと♡
先週から高等部での部活動も始まり、私は先輩と同じ弓道部に入った。短い時間ではあるが、帰りも一緒に帰っている。
「先輩! ゴールデンウィークの最初の日曜日って予定空いてますか?」
『ゴールデンウィークの最初の日曜日? 午前中は予定があるけど午後からなら時間作れるよ。』
「ホントですか!(ぱぁ~♡) かいかい海岸で潮干狩りの無料開放をするみたいで、寧ちゃんと一緒に行こうって話してたんです。 東大寺先輩も行きませんか?」
『友達と行くのに俺が行ったら邪魔じゃないか?』
「大丈夫です! 他にもナヨ君とか呼ぶ予定ですし。 後、出来ればで良いんですが、先輩のお友達も誘ってもらえませんか?寧ちゃんが誰か紹介して欲しいみたいで、、ダメ?ですかねぇ?」 ゴニョゴニョ、、。
寧ちゃんのお願いを安請合いしてしまったが、「私の友達に誰かを紹介してやって!」って頼むの、彼女面してるみたいで恥ずかしい!
いや私、彼女なんですけどね。何か柄にもないって言うか。良く考えたら私も先輩の友達に、彼女だって紹介されるわけで、、
『フフッ、、良いよ! じゃあ俺の友達に、モモが俺の自慢の彼女だっていうのも紹介しなきゃな!』
ボフッ♡!! 「わ、私の事はいいです!! そこは、さらっと流してください!!」
キャーーーッ! やっぱり止めとけば良かった!!
『ハハッ! モモ、顔真っ赤! ホントに可愛くて、自慢の彼女だな。』
ムギュ、、チュゥ♡ 出ました、両手で頬を挟んだ♡ムギュキッス♡
ボフッ♡ボフォフッ...♡ ...何なのこの人、私を殺す気? ...ごちそうさまです。
何はともあれ、無事先輩に参加の約束を取り付けた私は絶好調でゴールデンウィーク迄の学園生活を送った。
今日は待ちに待った潮干狩りの日!
『モモちゃ~~ん! 準備まだ~~? もう電車の時間に間に合わなくなっちゃうよ~~!』
「分かってるってば! ナヨ君は、も~~。 時間だってまだ30分は余裕あるじゃない!」
『いや、僕、1時間前行動なんで。』
「早っ!! いつからだよ! 1時間前行動なんて聞いたことないぞ!」
『今日からなの! いいから、もう行くよ!』
天気も良好、体調も万全、装備も万端、いざ出陣じゃーーッ!!
ズプッ、、「どうだ、入ったか?」
ズププッ、、『もっと、もっと奥まで入れて。』
ズポッ、ズポッ、「欲しがりな奴め。」
『・・・・・・。』
ツツツーーッ、『やっ、なんで止めちゃうの?』
ヌチャ、、「もう、我慢の限界だ。」
ピッピュッ、、『やだ、いかないで。』
『何の会話だよ!! 公衆の面前で変な会話すんな!!』
「ん? セナ君、どうしたの?」
『もう、、モモちゃん! 途中で塩を入れるの止めたからマテ貝が逃げちゃったでしょ!』
私とナヨ君は潮干狩り中にマテ貝の穴を見つけてから、すっかりマテ貝採りに夢中になっていた。
今日の参加者は私とナヨ君、寧ちゃんの他に、セナ君、ブライアン、同じ特進クラスの相田ニハイルちゃんだ。ニハイルちゃんは趣味がCM観賞というちょっと変わった子だが、入学式後におこなった席替えで席が隣になり、オススメのCMの話などを話しているうちに仲良くなった。
ちなみに東大寺先輩達とは午後から合流することになっている。
『遊んでないで、真面目にアサリを採れ!!』
「な! 遊んでるとは失礼な! 私とナヨ君だって、真面目にマテ貝を取ってたんだよ!」
『何処が真面目だ! 変な会話しやがって! 周りを見ろ! 親子連れが皆、俺たちのこと避けてるだろ!』
周りを見ると、本当だ。 ゴールデンウィーク中で、人がごった返しているのに私達の周りだけ誰もいない。 、、、すいません。変な会話をするつもりはなかったんです。 本当です。信じてください。
「ち、違うんですよ~~確かにちょっと会話はおかしかったかもしれませんが、これは免罪なんですよ~~、へ、へへッ、、」
『言い訳はいいから、さっさと掘りやがれ。』キラーーンッ!
「ヒッ!! な、ナヨ君! さっ、こっちでアサリを今すぐ採りましょ!」
こっわ~~ッ。奥さん、あの人ただ者じゃないですよ!
『モモ! こっちの方、沢山採れて穴場だよ!』
ブライアンに呼ばれ行ってみると、あら凄い。大量だ。
「凄いね、ブライアン! 大量じゃん!」
『フフッ、僕、潮干狩りって初めてやったけど、凄く楽しくて夢中になっちゃったよ!』
ブライアン、本当に楽しそうだ。考えてみれば、ブライアンが日本に再留学してから、こうして学校以外で会うのは初めてだ。毎日お弁当は作ってあげているけど、私は先輩とお昼を食べることが多いから一緒に余りいてあげれてない。もう少しフォローしなきゃいけないとは思ってるんだけど、ここのところ私も色々あってブライアンの事を考えてあげれる余裕がなかった。
ザッ、ザッ、ザッ...ゴロッ、ゴロゴロッ、、
「ねぇ、ブライアン。寮での生活はどう? 日本での生活は楽しい?」
『ん?...まぁ、それなりにかな。』
一瞬、ブライアンの表情が曇った。 あんなに日本が好きだって言ってたのに何かあったのかな?
「それなりって、何か困ってることがあるの?」
『困ってることはないけど、独り暮しみたいなもんだから、やっぱり少し寂しくて、、。』
そうだよなぁ、、ブライアンは親元を離れてるんだ。 寂しいのは当たり前だ。
《僕だったら何よりもモモを大切にする。 モモが会いたい時、モモが側に居てほしいって思う時、絶対にモモの所に駆けつける。》
ブライアンはあそこまで私の事を考えてくれたのに、私ときたら自分の事ばかりでダメな奴だ、、。
「ねぇ、ブライアン。 良かったら今度家に来ない? ママもパパもブライアンに会いたがってたし、また美味しい日本食作るからさ!」
『ホントに!(ぱぁ~~♡) いいの?!』
「勿論! そうだ、このゴールデンウィーク中においでよ!」
『うん! 行く! フフッ、楽しみだな♪』
良かったぁ~、ブライアンが笑顔になった! ブライアンも私のために頑張ってくれたんだもん。私も自分の事だけじゃなく、もっとブライアンの為に何かしてあげなきゃね!
『モモ!!』 ん?
降り向くと、東大寺先輩がそこにいた。
パッ、、「先輩! 早かったですね!」
『俺達も少しはアサリ採りに貢献しなきゃと思って、予定を早く終わらせて急いできたんだ。』
「そんなぁ、無理しなくても先輩が来るまでずっと待ってるのに~~。」
『フフッ、モモが良くても他の奴らはそうは行かないだろ!』
『結構採れてるか? あっ、、ブライアン。お前も来てたんだ。』
『こんにちは、先輩。 僕も来てました。今、モモと一緒に仲良くアサリを採っていたところです。』
『へぇ、俺が来るまでモモの相手をしてくれてありがとう。』 バチッ、バチ、、、
何か、火花が見える! そうだった! この2人、あの時言い合いしたままだった!
お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。
参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。




