初めての喧嘩part2
拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。
ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
※前話におきまして投稿から1時間ほど不完成な状態で投稿してしまいました。申し訳ありません。
『ごたごた抜かしてんじゃねぇぇぞぉっ!! こちとらネタは上がってるんだよ!! さっさと白状しろってんだ!!!』
「なっ! どうしたんだよ、ナヨ君!!」
『あっ、ごめん! 最近、遠山の銀さんにはまっててさ! って、そんなことはどうでもいいんだよ! 先輩と何かあったんでしょ!』
「しつこいなナヨ君は! 余りしつこいと絶交だよ!!」
『なっ!! 一番の親友に向かって良くも絶交なんて言えたね! それで僕が怯むと思ったら大間違いだよ! ネタは上がってるって言ってるでしょ!』
「うっ、も~分かったよ!! 他の人には言わないでよ!」
『分かったから、早く話しな!!』 ナヨ君のしつこさには完敗だ。
「実は、....カクカクシカジカ....」
私は東大寺先生と先輩のご両親のことは言わず、先輩とどうして喧嘩してしまったかだけをナヨ君に話すことにした。
先生の裏の顔は話したら後が恐いし、先輩のご両親の事は先輩が隠してるのに勝手に言ってはいけないと思ったからだ。
『ふ~~ん。 それで? モモちゃんは東大寺先輩を追い出して、怒った先輩に暫く会わないって言われたってこと?』
「お、追い出したって言うか、、先輩はここにいるべきじゃないって言っただけだよ、、。」 ゴニョゴニョ...。
『は? 何言ってんの、モモちゃん。 それを追い出したと言わずなんだと言うのさ! 大事な彼女の事を心配して折角先輩がお見舞いに行ったのに、着くやいなや「甘い!」だの「ここにいるべきじゃない!」だの言われたら、いくら優しい先輩でも怒るの当然だよ!』
「だって、東大寺先生が、、」 あ、ヤバイ!
『え? 何でそこに先生が出てくるのさ! まさか、モモちゃんまだ隠し事あるんじゃ、、!』
「ち、違うよ! ただ、ちょっと先生に高等部の生徒会長になるには並大抵の努力じゃなれないって言われて焦ってしまったの!」
お願いだ~、深くは追求しないでくれ~、、。
『ふ~~ん。 まぁ、いいわ。 で、モモちゃんはどうするのさ? このまま先輩を怒らせたままでいいの?』
「いいも何も、先輩に頭を冷やすように言われてるし、私も先輩には生徒会長の事とかもっと自分のことを頑張って欲しいし。 今は寂しくても我慢するしかないでしょ!」
『いつまで?!』
え? いつまで?? キョトン。
『何、キョトンとしてんのさ! ねぇ、モモちゃん。 モモちゃんは先輩が生徒会長になれるように頑張って欲しいって言うけどさ、それってどういうことか分かってる? 後期生徒会会議まで、まだ半年もあるんだよ? その間、2人がお互いに自分の事しか考えななくて全然会おうとしなかったらどうなると思ってるの?』
「それは、、。」
勢いで先輩に啖呵を切ったはいいが、具体的な期間とか2人がどうなるとか良く考えていなかった。
『今迄だってろくに2人でいる時間を取れてないのに、更に2人でいる時間を削ってたらそれってもう付き合ってるって言えないんじゃない?』
ナヨ君の言うことはごもっともだ。 今迄以上に会わないと言うこと、それはもうただの顔見知りと同等レベルになってしまう。
「それなら私が先輩に合わせればいいんだよ! 先輩の予定の合間とかに私が会いに行けばいいでしょ! そしたら少しでも会うことが出来るじゃない!」
『またそうやって自分を犠牲にしようとする。』 !!!
『それで先輩が嬉しいと思ってんの? 何の為に先輩がモモちゃんのパパとママに挨拶しに行ったのか考えてみなよ。 モモちゃんの事を本気で大切にしたいからだよね? モモちゃんが先輩を何よりも大切に思ってる様に、先輩もモモちゃんのこと何よりも大切に思ってるんだよ!』
「それは分かってるよ! でも、今の頑張りだけじゃ足りないんだよ、、。 これくらいの結果じゃ、、認めてもらえない、、。」
『ねぇ、モモちゃん。 モモちゃんは何で先輩と付き合ってるの?』
「私は、、先輩の事が好きだから、、」
『そうだよね?! 誰かに認めて貰いたくて先輩と付き合ってる訳じゃないでしょ! だったら、誰かに認めて貰うことがそんなに重要?』
ナヨ君の言葉が胸に刺さる。 そうだ、私は先輩が好きだから先輩の側にいたいんだ。 なのに、いつの間にか先輩のご両親に認めて貰うことが1番の目的になってる。
『それに、自分磨きの事もモモちゃんは極端過ぎ! そりゃ、相手に依存して自分磨きを何もしなくなるのは、僕もダメだと思うよ。でも、モモちゃん達は違うでしょ? 誰から見たって2人は切磋琢磨してる。 そんな2人を誰が頑張ってないっていうのさ。 もっと自信持ちなよ。』
私は今迄、自分の為に一生懸命やってきたつもりだった。 でも今回初めて自分では計り知れない存在を前にして、今まで自分がやってきた事に自信が持てなくなっていた。
「本当? 本当に、誰から見たって頑張ってるように見える?」
『うん、見える。』
「友達だから贔屓してるんじゃなくて?」
『先輩とモモちゃんの事に関して誰よりも厳しい僕が、2人のことで贔屓すると思う?』
「、、思わないけど。 でも、たまに甘いときもあるでしょ?」
『フフッ、、大丈夫。 僕はこういう時は本当の事しか言わない。 それは分かるでしょ?』
「、、うん。」
ナヨ君とはふざけて漫才みたいなやり取りをするけど、いつも私が本当に困ってるときには、絶対に誰よりも私に真摯に向き合ってくれる。
『モモちゃん達は今迄ずっと頑張ってきたよ。 これからも2人なら誰に甘えるでもなく、2人で切磋琢磨して頑張っていけるよ絶対!』
誰かに肯定して欲しかった訳じゃないけど、誰よりも近くで私達を見てきたナヨ君が言ってくれたことが何よりも自信に繋がる。
「うっ、うぐっ、、うえぇぇ~~~ん!! 絶交するなんて言ってごめんなさ~~いッ!! やっぱりナヨ君は1番の友達だよ~~ッ!! うっ、うっ、、」
『も~モモちゃんは、本当に泣き虫なんだから!』 ヨシヨシ♡
『さぁ、もう大丈夫でしょ!!』
「うぐっ、、うぇ?」
『ほらっ! ぼさっとしてないで、先輩に謝ってきな!!』 バシッッ!!
「いった~~ッ!! ちょっと何すんのさっ、ナヨ君!!」
『グズグズしない!! もう1発入れるよ!!』
「ヒッ!! い、行くよ!! じゃあね!!」
ナヨ君に思いっきり背中を叩かれた場所がヒリヒリ痛い。 でも、その痛みがずっと背中を押してくれる。 行かなきゃ、、行って先輩に今の気持ちを伝えなきゃ!
お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。
参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。




